どうしたら貧困の連鎖を断ち切れるのだろう
金持ちの連鎖もあれば貧困の連鎖もある。
例えば親が病院経営していれば大概、子どもの一人は医者になるし、娘なら大概、金持ちの家に嫁ぐ(もちろん例外もあるが、私の知る限り)
大きな事業をしていればまた子どもが跡を継ぎ、経済的豊かさは続く。もっとも経営者には相当な苦労もあるが。
こうした豊かさの連鎖は大いに結構だし、さらに子孫がもっと頑張ればいい。
しかし断ち切らなければならないのは貧困の連鎖だ。日本がまだ貧しかった時代。そこから這い上がり富を得た人も多かった。世の中がみんな貧しかったから可能だったジャパンドリームだった。
しかし今は社会構造が全く違う。這い上がる隙間も殆ど無いからだ。
かくして貧困家庭の子どもたちはステップアップするための多くのチャンスを奪われているのが、現状だ。
法改正で子どもたちは本当に救われるのか
先日、『改正子どもの貧困対策法』が衆参両院で全会一致で成立した。

6年前に制定された現行法は、親から子に貧困が受け継がれるのを防ぐことを目的とし、力点を教育の支援に置いていた。子どもたちの将来を見越した投資だ。
これに対し今回の改正法は現状の貧困の解消を目的に明記。保護者の仕事の安定、向上や、所得の増大に役立つ支援を新たに盛り込んだ。
しかし具体的にどう取り組んでいくのか。例えば非正規雇用の解消だ。失業率が低く求人倍率が高いと言っても、なぜ非正規雇用が年々増えているのか。
まず直ぐにでも非正規雇用を減らすことから始めよ
母子家庭が大半を占めるひとり親世帯は、半分が貧困状態にある。先進国では最悪のレベルとなっている。まずこの解決策はあるのか。
この大きな要因は、非正規労働が多く、賃金が低いことにあるのはだれでも分かっている。
現在の非正規雇用人口はは2152万人。働き手に占める割合は38%を超え過去最高だ。そして非正規雇用の75%は年収200万円未満。女性だけだと比率は83%にものぼる。
こうした数字を見ただけでも日本の子どもたちが貧困であることがはっきりと分かる。まず政府は企業が正規雇用を増やすよう強く求める必要がある。
この問題を解決しない限り、大卒の高い就職率、低い失業率、求人倍率の高さなど、全く自慢にもならない。
もりもと なおき