お気づきだろうか?テレビCMが激減してきたのを。その代わりにACジャパンのCMが激増している。
これは全て新型コロナウイルス感染拡大の影響だ。メーカーなどテレビ番組のスポンサーが大幅にCMを控えている。

コロナ不況がテレビCMを直撃し、前年比86%に
テレビ業界にとっても恐らくオイルショックやバブル崩壊、東日本大震災、リーマンショック以上の打撃となっているようだ。当分、先行きは厳しいだろう。
このほどゼータ・ブリッジ(東京品川区)が、動画認識エンジンを活用したテレビCM自動認識システムで取得した放送履歴情報から、新型コロナウイルスのテレビCMへの影響を調査した。
それによると、対象エリアとした東京・大阪・名古屋・福岡・札幌と、BS放送の昨年と今年の4月前半(4/1~4/15)に流れた新規CMの件数を比較すると、約86%程度に減少していた。
外出自粛などの呼びかけにCM控える企業も
自粛ムードはもちろん、企業業績の低迷などから、CMの出稿を控えた企業が増えたようだ。この時期新規出稿が増える観光・アミューズメントなどのCMが、昨年比約34%に減少。映画館の休館で上映告知CMも前年比約43.2%で大幅ダウン。
自動車CMは43%も減る
自動車関連も外出自粛の流れに加え、国内および海外の生産工場において生産の縮小・調整の動きが出ていることで、新規出稿も前年比約57%と減少した。
今後、コロナ禍が下火に向かわない限り、さらにテレビCMは減っていく可能性は高い。テレビ業界にとっても厳しい環境となっている。
スポンサーの減少は、番組づくりにも影響を及ぼしてくるのでは、ないだろうか。
穴埋めにACジャパンのCMが20倍にも
一方、企業CMの減少に伴い、ACジャパンのCMが激増している。最近頻繁に流されている『夫婦でがん検診』のCMなどがそれ。
なんと昨年の305件から今年は6103件と20倍の激増となっているから、いかに本来の企業CMに穴が空いてしまったがが分かる。

ACジャパンはご存知旧公共広告機構。1000余の広告関連会社が会費で運営し、社会啓発のCMを制作する。
番組のCM枠を買っていたスポンサーが、CM放映を自粛して空いた枠に、各放送局が自由裁量で流せるACジャパンのCMで埋めているのが分かる。テレビ局に利益は無い。
最近の深夜はACジャパンの啓発CMだらけ。このCMが増えた時は、世の中はかなりの不景気なのだ。
もりもと なおき