オンライン授業に切り替えは小中では全国初の試み
危機の時、トップの能力や発想の差で自治体には大きな差が出てくる。一斉休校から春休み、そして新学期を迎え、多くの都道府県、政令指定都市では休校を延長するか否か、対応に苦慮しているが、政令指定都市の熊本市は、5月6日まで市立の小中学校の休校を延長することを決めた。
もちろん、同じようにGW明けまで休校を延長する自治体もあるが、熊本市が違うのは新学期からこの間、全ての学校でオンライン授業を行う。

スムーズにオンライン授業に移行できそう
熊本市教育委員会は特別支援学校を含む市立学校の休校措置を、5月6日まで延長すると発表した。当初は春休み明けの4月8~9日が新学期スタートの予定だったが、『感染は今後さらに拡大する恐れがある』とし、休校の延長を決めた。熊本県は感染者17人うち15人が熊本市内在住(3日現在)
市教委によるとこの間、小中学校は自宅でのオンライン授業となる。約3分の2の家庭が大画面のタブレット端末やパソコンを持っているが、所有してない家庭には端末を貸与する。
子どもの学ぶ権利守りたい
本格的なオンライン授業はもちろん、小中学校では全国初。遠藤洋美路教育長は
『オンライン授業は手探りのスタート。最初から立派なものはできませんが、進めながら改善していきます。もちろん学校の完全な代替にはなりませんが、少しでも子供の学ぶ権利を守ろうとするための取組です』
と、自身のツイッターで意気込みを伝えている。

市長肝いりで全校が電子黒板、タブレット授業
今回の休校延長、オンラインでの代替授業は大西一史市長が市教委に依頼、実現した。
同市のICT教育は、全国20の政令指定都市で19位と低迷していた。
しかし1年前、大西市長の肝いりで、全ての小中学校へ電子黒板を導入。授業でも児童、生徒全員がタブレットを使っている。このためあっという間に政令指定都市でもトップクラスとなった。
オンライン授業も子どもたちは違和感なく受け入れることが、できそうだ。
同じ休みでも子どもたちにとって感染のリスクを軽減し、さらに学習面も補うことができる。こうした突発的な休みを想定してのICT教育ではなかったが、直ぐに対応できた。全ての都道府県が参考にすべきだろう。
もりもとなおき