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特別車両を断り乗り合いバスで国葬に参列した天皇皇后両陛下の気高さ

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私の良く知る元警察官僚のその同期が、天皇陛下が皇太子時代の約40年前、英国オックスフォード大学に留学された時、身辺警護などでロンドンの日本大使館に出向した。

年齢的にも比較的近かったため、皇太子殿下も彼に心許され、妻も同行していた彼は居宅に、食事などお招きしたこともあったという。

テニスもご一緒したらしいが、殿下のラケットを見て驚いた。
木製ラケットだったが相当、長期間使い込まれていたのだろう。フレームも柄の部分も塗料が全てはがれ、木目がツルツルだったという。

彼が『殿下、そろそろ新しいものを』と尋ねたところ殿下はニコッとしながら、

『いや、ガットを張り替えればまだまだ使えます』と、お答えになったとか。

お召しになっているセータなども、肘の辺りは擦れてもう薄くなり、かなり長い間、大切に愛用されているのが分かったという。

彼はとにかく皇太子殿下の質素というか、つましやかな生き方に、ひどく感銘を受けたらしい。

このエピソードを聞き、やはり上皇上皇后両陛下が徳仁親王時代から将来の天皇になるべく素晴らしい教育をされたんだなぁと、感心したものだ。

英国留学ではエリザベス女王にはことのほかお世話になった天皇陛下は皇后陛下とともに国葬に参列された。

19日当日は、国葬会場までは世界の元首といえど交通渋滞を防ぎため、乗り合いバスで向かうことになった。

しかし警護上の関係で、アメリカのバイデン大統領、フランスのマクロン大統領らごく一部のVIPとともに、天皇皇后両陛下にも特別の個別車両が用意された(英タイムズ紙)のだ。

しかし天皇陛下はこうした特別扱いを固辞。500人の元首、首脳らと同じ乗り合いバスで会場に向かわれた。

このニュースを聞き、オックスフォード留学中のエピソードを思い出した。
多くの国民がこのご判断に感銘を受けたのではないだろうか。

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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