甲子園球児たちにとって最も嬉しく、チカラを発揮できる応援は、クラスの女子をはじめとする同じ学校の女子たちの応援だとか。
それはそうだろう。われわれオヤジでも打席に立った選手に、アルプススタンドの女子学生がお祈りする姿は胸にグッとくるから、選手は否応なく力が湧いてくるに違いない。
今大会は男子校はゼロ、アルプスでは女生徒の応援が
ところで女子のいない男子校の連中は可哀想だなと思っていたが、なんと、今大会、第101回全国高等学校野球選手権大会の代表校49校にはひとつも男子校はなかった。
うち48校が共学で1校、國學院久我山高校だけがクラスが別れるいわゆる男女別学。男子のみが通う男子校はゼロだった。
甲子園に出場できる野球強豪校は、ひと昔前は男女共学校は公立の商業高校、あとは私立の男子校と相場が決まっていた。
商業高校は女子が多いため、男子校の野球部は実に女子の応援が羨ましかったという。
ところが今ではこうした私立男子校だった野球強豪校の多くが共学だ。

男子校激減は野球部弱体に非ず、私学経営安定のため
夏の甲子園で男子校が初めて姿を消したのは2003年だった。その後、2009、2010、2012、2015年に男子校の出場はゼロ。
春の選抜では2004、2015、2017年に男子校はいなかった。
こうして男子校の甲子園出場は激減してきたが、実は男子校の野球部が弱くなった訳じゃない。
やはり少子化の波は私学経営にも大きな影響を及ぼし、かつての男子校がどんどん共学に変わっているからだ。
例えば春の選抜優勝校の名古屋の東邦高校だって昔は男子校だったが、いまや完全なる男女共学校だ。
ほかにオールドファンには男子校のイメージがあるが、北海、仙台育英、早稲田実業、日大三高、中京大中京、広島広陵など、男女共学校に生まれ変わっている。
活躍する選手もスタンドで応援する女生徒たちもみんな青春だ。暑い甲子園で力一杯、青春を謳歌して欲しい。
もりもと なおき