山下氏…長いものに巻かれる古いタイプのアスリート
そもそも山下泰裕氏が、東京五輪招致の買収疑惑で仏司法当局の捜査対象になっている竹田恒和氏の後を受け、日本オリンピック委員会(JOC)の会長になった時、いきなりJOCの理事会を非公開にしたことに驚きだった。
スポーツ界もやっと透明性や公平性が確保されつつある中、彼が竹田氏辞任の意味が全く理解できていないと感じたからだ。
やはり長いものに巻かれろ系の、一部アスリートにありがちなタイプの人物なのかと、思ったからだ。

強くとも権力者に追従する武道家はいる
武道家=男らしいとのイメージはあるが、これはもちろん人による。
こんなに強いのになぜ権力者には弱いんだろうと残念に感じる人はいる。
山下さんはどうもその範疇の人物かもしれない。
まあ、だからこうして出世もできたのだろう。
先日、亡くなった古賀稔彦さんなどは見た通り、生きた通りの芯のある武道家だったのは間違いない。
山下氏の隠ぺい体質が次々と明るみに
そしてまた、山下氏の隠ぺい体質が明るみになった。
愛知県の連盟会長の、パワハラや不明朗な支出の疑惑について、全柔連のコンプライアンス委員会が昨年11月、愛知県連盟の執行部刷新などを求めた勧告書を全柔連の山下会長に提出していたのに、理事会に諮らず放置していたというのだ。
山下氏といえば先月も、全柔連前事務局長のパワハラ疑惑を知りながら、当事者が退職したことなどを理由に報告せず、連盟内でも"隠蔽体質"が問題視されたばかりだ。
JOC会長を辞任すべき失態はもう何度も繰り返している
現在、山下会長は、日本オリンピック委員会(JOC)の会長と国際オリンピック委員会(IOC)の委員も兼務している。
就任早々、JOC理事会を非公開にしたり、森喜朗氏が女性蔑視発言をした時も側にいながら黙って見過ごした。本来、今のポストにいるのはおかしいのだ。
今回の二度に渡る隠ぺいなど考えてもとてもJOC会長の器ではないだろう。辞任すべき失態はもう何度も繰り返している。
もりもとなおき