産経記者、ルポを真似るとはいったいどうした
新聞記事を書く場合、当然、他社はどんな記事か、特にどんな視点で扱っているかはきちんと他の新聞を読む必要はあった。
しかし当然、資料として利用するだけで、記事を盗用まではいかなくても、構成や文章の流れも真似ることはしなかった。
これはそうしたことをする罪の意識というよりも、自分がモノを取材して書くプロとしてのプライドが許さなかったからだ。
これは記者たちはみんな持ち合わせている。
だから神戸新聞のルポを真似た産経記者には驚いている。
同じように同行取材したのに
産経新聞社は11日付朝刊で、8月18〜20日付朝刊の兵庫県版で連載した「無人島生活 中学生のサバイバルキャンプ」中の表現が、昨年の神戸新聞記事と酷似するなどし、著作権侵害の可能性が高いとして、取り消したと明らかにした。
産経によると、姫路支局の男性記者(46)は8月10〜13日に兵庫県姫路市の無人島で行われた中学生参加のキャンプに同行取材。執筆した記事全般の構成や表現が、昨年8〜9月に神戸新聞が連載した「新人記者が挑む 無人島サバイバル」と似通っていた。
神戸新聞社が産経記事掲載直後、酷似表現が本文や写真説明に多数あると産経側に指摘。
産経記者は社内調査に神戸新聞の前年の記事に「無意識に引っ張られた可能性がないとは言えない」と説明したという。

やはり過去の記事や他社記事の横にらみ取材はダメということか
この記者は46才というから完全にベテラン記者だ。こんな中学生のキャンプのルポくらい、恐らく簡単なものだったと思う。
どうしたんだろうか。
新聞記者は自社の記事をスクラップし、毎年の恒例行事はそれを参考に取材に行くことがある。もちろん同じような行事だとどうしても同じような記事になる。
私は現役時代、そうしたマンネリ化した行事で同じ記事は意味が無いと考え、デスクに取材拒否を通告、喧嘩になったこともあった。
自社のスクラップブックを真似たり、他社の記事の横にらみの取材は、やはりしない方がいいということだろう。
もりもと なおき