政府にケチをつけるなと言い放った自民党の驕りと老害
自民党の二階の爺さんがNHKのクローズアップ現代という番組で、『いちいち政府にケチをつけるもんじゃない』と発言し、炎上している。

81才、もはや老害の極み。自分がつくったと思っている菅政権の支持率が、発足以来、下がり続けていることと、自身が推進したGo Toトラベルなどの批判に対し、恐らく腹が立っての暴言だろう。
この発言には本来、自分が選んだ菅という人物の能力の無さに憤ったり悔やむべきところを、批判する国民が悪いと転嫁したものだ。
全く傲慢というか幼稚というか、正常な判断ができているのか疑ってしまった。
『マスコミに批判されるのも仕事』と、往年の角栄さん
政治家という職業は批判されてなんぼ。褒められるヤツなど普通はいないし、所詮一時のもので長くは続かない。
ここで思い出すのは田中角栄元首相だ。彼ほど功罪相半ばし、メディアに批判された政治家はいない。
そのメディアにはこう言ったものだ。
『マスコミは政治家を批判するのが仕事。われわれは批判されるのが仕事だ』と。
この懐の深さ。
ロッキード事件で東京地検特捜部に任意出頭を求められた際も、記者やカメラの砲列に向かっていつものように『よおっ!』と右手を挙げてクルマに乗り込んだ姿には、当時、本当に驚いた。

と右手を挙げた田中角栄元首相
『新聞は出て行け』と最後に小物ぶり見せた佐藤栄作
佐藤栄作元首相は退任会見の時、『偏向した新聞は嫌いだ。出ていけ。テレビに話をする』と言い、新聞記者は全員、会見場から退出した。
首相在任中、批判され続けたことに最後にキレたんだが、何とも気の小さな話しだ。佐藤嫌いの国民ははますますこの政治家が嫌いになった。

そして二階発言。田中角栄とは比べるまでもなく、ある意味、佐藤栄作より酷い。政府にケチをつけるなと、メディアじゃなく国民に向かって言い放ったからだ。
忖度メディアのNHKのインタビューだから安心したのか?
いずれにせよ長期政権の驕りはもちろん、党でずっと幹事長を務めた驕りだが、国民はだれもこの老人を軽蔑こそすれ尊敬していない。
もりもとなおき