麻薬専門官に聞いた覚せい剤のやめられない魔力とは
警察には麻薬取り締まりのプロがいる。そんな刑事に覚せい剤や中毒患者の話しをよく教えてもらったものだ。

とにかく気持ちが良いらしい。
『男と女がシャブを打ってやったとしたら時間を経つのも忘れ、丸1日が過ぎていた』とか。
女性に覚せい剤を教えて中毒にし、"シャブが欲しかったらソープで働け"などと言う話しは、昔は本当にあった。
覚せい剤専門官の話しは何百人もの覚せい剤容疑者を調べたことが元になっているから、説得力がある。もちろん自分で使った体験談ではない。
覚せい剤を使用しての男女の話しは、若い新人記者にとって、生唾ものだった。
あの田代まさしがまた覚せい剤取締法違反容疑で捕まった
それほど覚せい剤の魔力は凄い。やめられない。薬そのものに強い中毒性がある。
あの元シャネルズやラッツ&スターの田代まさし(63)がまた覚せい剤取締法違反容疑で宮城県警に逮捕されてしまった。
容疑は、8月23日に宮城県塩釜市の宿泊施設で、また11月6日に杉並区で、それぞれ覚醒剤を所持した疑い。

前回の逮捕後は薬物更生施設に所属し、スタッフとして薬物依存の実態を伝えるセミナーなどを行っていた。
テレビでそんな様子も紹介されていたから、てっきりもう大丈夫だと思っていたが、やはりクスリは断てなかったのか。
これで逮捕は5回目。覚せい剤では3回目だ。刑務所には計7年も入っていた。
田代もメンバーだったシャネルズ、そのあとのラッツ&スターは最高だったのに。こんなことにならなければ、また再結成とかできたかもしれない。

66%という高い再犯率だが、逮捕という対処療法では解決しない
とにかく田代まさしに限らず、再犯は何ら珍しくない。私が知っているだけで逮捕歴2回や3回どころか6〜7回の被疑者もいた。
警察庁によると覚醒剤で摘発された人が再び摘発される再犯率は2017年時点で約66%もあったから、再犯率の高さは当然だ。
再犯率が高いということは即ち、何度も誘惑に負けるということだ。アルコール中毒などと同じように病院での治療が不可欠だが、なかなか治療は進まない。
逮捕〜起訴〜有罪の繰り返しという"対処療法"では、中毒者は減らない。
もりもと なおき