ラグビー以外の素晴らしいメッセージもくれた日本代表チーム
解説の五郎丸歩さんが『ラグビーだけじゃなく、素晴らしいメッセージをたくさん送ってくれた』というように、ラグビー日本代表メンバーの生き方や一言一言が、多くの人に勇気を与えてくれたのは間違いない。
ルールもまともに知らなかった全国のにわかラグビーファンをいつの間にか熱狂させ、テレビ視聴率も40〜50%というんだから、日本チームの魅力はまぶしいばかりだった。
まさか、まさかの一次リーグ4連勝。
ひとつひとつの命がけにも見えるプレーは私たちの胸に、いいようのない感動を与えた。

松任谷由実も心奪われたラグビーのワンシーン
松任谷由実の名曲に『ノーサイド』という歌がある。その一節…
"君はもう2度とかぐことのない風を深く吸った…♫"
南アフリカ戦、79分。彼らにとってのワールドカップ。まさにノーサイド寸前のメンバーは、みんなそんな感じに見えた。
あの早稲田ラグビーのスターで元同大監督、清宮克幸さんが『うらやましい』といった日本代表の勇姿。
野性の風貌の彼らに、歴史を刻む人間の気高ささえ感じたのは私だけだろうか。
同じ男として嫉妬にも似た憧れ感じた大学のラガーマンたち
やってない男からすると、ラグビーってなんとも言えなくうらやましいスポーツなんだ。
高校、大学の時、ラグビー部の連中がどんなにまぶしく、男が憧れる存在であったか。
あのミスターラグビー、故平尾誠二さんと同志社で同窓だった後輩はキャンパスを颯爽と歩く平尾を見て『われわれと違う。神様に選ばれた男なんだ!』と思ったと。それくらいラガーマン平尾にはオーラがあったという。
作家の故野坂昭如さんは中年以降、ラグビーに目覚め、自ら中年チームを率いたが、そのきっかけは早稲田ラグビーだった。
彼らの練習をグラウンドの隅から眺め『今度生まれ変わったら、必ず赤黒のジャージーをきる』と心に誓ったことが、エッセイに示されていた。
羨望と男への嫉妬にも似た憧れがあったのだ。みんな同じだ。
そしてみんなに感動を与え、勇気を湧き起こしてくれるのがスポーツであり、一流アスリートであるならば、ラグビー日本代表はまさにその権化ともいえる存在だと思う。
英国圏の紳士のスポーツの一角担う強豪となった心地良さ
英国発祥でイングランドやウェールズ、スコットランド、アイルランド、さらにニュージーランドや南アフリカやオーストラリアなど旧イギリス圏の国々が強豪といわれる紳士のスポーツだ。
そのいかにも英国的な世界の中で、アイルランド、スコットランドを撃破し、世界の強豪に名を連ねた日本代表チームのカッコ良さ。そして生い立ちも違ういろんな人間がリスペクトし合い、"ONE TEAM"として強くなった。

日本がこれからもラグビー強豪国であるためにも、この熱を冷ましたくない。
そのためにも、大学チームでもよし、社会人チームでもよし。どこか応援するチームを持つのもいいかもしれない。
もりもと なおき