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癌になって思う、もう一度、荒野を目指したい

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『青年はやはり荒野を目指し、終わりなき出発をするのもいい』

青春時代は硬から軟まで結構、純文学や評論に親しんだ。少なからず人生に影響を与えた心に残る一冊は多数あるが、中学生〜高校生の時に読んだ五木寛之の『青年は荒野をめざす』も鮮烈な一冊だ。
貨物船に乗ってナホトカには行かなかったが、人生の荒野にはそれなりに乗り出した。

中学3年生の頃、週刊平凡パンチで連載していた五木寛之のこの小説を、毎週貪るように読んだ。
友人が学校へ持って来たパンチで偶然、読んで、毎号楽しみになった。
それから自分でパンチを買うようになったが、まだ中学生が成人向の平凡パンチや週刊プレイボーイを、堂々と本屋で買ってはいけない雰囲気の時代だった。

この小説をモチーフにして当時ヒットした歌が、フォーククルセダーズ(北山修、加藤和彦、端田のりひこ)”青年は荒野をめざす”だった。
作詞はもちろん五木寛之。

主人公、ハタチのジュンはJAZZを極めるために、横浜からナホトカへの船に乗る。
船中や旧ソ連やヨーロッパの国々でいろんな冒険、出会いがあったが、その中の重要なひとりが"プロフェッサー"との出会い。

家庭をも捨てて若者とともにアメリカを目指すこの"プロフェッサー"のことばは、僕ら読者もワクワクした。

『男たちは常に終わりなき出発を夢見る。友情や愛や優しい夢や、そんなものの一切に、或る日突然、背を向けて荒野をめざす。だから彼らは青年なのだ』

この一節は、ジュン同様、私にも強烈な印象を残した。"彼ら"は僕でなければならない。

ジュンようにはなれなかったけど、安全なぬるま湯で、暗たんとしてはいけないんだ~との思いが、いつも心の中にあった。
だから僕なりの荒野を目指し、平凡じゃない職業を選んだのかもしれない。

そして僕は今も心は荒野を目指したハタチの時のままだし、終わりなき出発をしたままだ。
そしてまさかがんとの壮絶な闘いが残っているとは思わなかった。

(掲載された平凡パンチ。荒野を目指した高校生の頃)

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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