『癌患者は周囲にカミングアウトした方が良いと思う理由』
癌患者は自身が癌であることを周囲にカミングアウトした方が良いかもしれない。
私自身が癌宣告を受けたのち、周囲の友人、知人に打ち明けたりしたことで、数え切れないほどの応援、激励をいただいてきた。

そしてそれが間違いなく私のモチベーションを上げ、癌治療の効果をあげていることを強く実感している。
私が治療を受ける徳島大学病院消化器外科の島田光生教授も、化学的治療以外にも家族の愛情や友人たちの応援が、患者に良い効果をもたらすことを指摘されている。
そして島田先生ご自身が患者のモチベーションを上げる"島田マジック"を駆使しています。
私は昨年5月、医師から癌宣告を受けた時、本当はできることならば家族にも秘密にしたかった。
しかし告げられた病状はかなり深刻なものであり、その時は私には命の時間はそんなに残されていない気がしたのだ。
そうなるとやはり人知れず死んでいくのも寂しい。友人たちやお世話になった人たちにきちんとお別れをしたい。
そんな思いから友人に伝えてもらったり、自分でも辛いが電話やLINEで伝えていった。
以来、家族の思いと友人たちの激励がずっと病魔と闘う大きな糧と力になっているのは間違いない。

一般的に"癌患者への効き目は35%程度"と言われる抗がん剤が、これまで私にはひじょうに良く効いているのは、島田先生ら医師の的確な治療に加え、こうしたプラスαの説明できない力が働いているのだろうと、確信する。
あと、辛い抗がん剤治療を続けながら生活のために仕事を休めない若い癌患者は大変だ。
以前、強い副作用にも関わらず『仕事を休めないので』と、激しい吐き気と下痢の中、直ぐに退院した40才前後の癌患者がいた。
周囲が知って理解をしてあげて欲しい。そのためにも自分が癌治療中であることを、周囲に知ってもらうことは大切だ。
(友人が送ってくれた全国の神社やお寺のお守りも30を数え、神々が癌退治をしてくれているような気がするから不思議だ)
もりもとなおき