協会に負けた貴乃花
元横綱貴乃花親方が引退とか退職とか。とにかく相撲界を去るようだ。貴ノ岩ら幕内力士を含む、弟子たちの移籍先も決まっている。
貴ノ岩が横綱日馬富士に暴行された事件から表面化した貴乃花親方と協会の確執。角界の至宝(だった)貴乃花親方が相撲界を去るという、極めて後味の悪いかたちで終わってしまうんだろうか。
とにかく良く分からない
分からないなりに"ブラックボックス相撲協会改革のため、たったひとりで戦う貴乃花"という構図を、多くの国民は描いているのでは?実は私もそうなんです。
日馬富士の暴行問題は、傷害事件なので分かり易かった。しかし途中、貴乃花部屋の貴公俊が付き人に暴力を振るった問題が発覚。貴乃花の協会追及もトーンダウンしてしまった。これが残念だった。
貴乃花親方は協会を告発しているが、この内容を事実無根と認めなければ、廃業に追い込むという、有形無形の圧力を協会から受けていたという。告発内容は真実、認める訳にはいかない。だから引退するという訳だ。
メディアはなぜ協会を悪者にしないか⁈
普通、これだけの構図ならお調子者の日本のメディアは、こてんぱんに協会を叩くはずだ。日大しかり、女子レスリングしかり。しかしなんかバランスを取っていないか。
それどころか貴乃花に批判的な人をワイドショーに出している。日大アメフト問題ではこうした対応はあり得なかった。
何故か?テレビメディアが異常に気遣いしてきたジャニーズ事務所への不祥事対応に相通じるものを感じる。
NHKは相撲協会と一体。批判はできない、しない。他のメディアも相撲人気を考えたら今後、取材し難くなるような批判はできない。加えて貴乃花親方がマスコミ嫌いときている。だから"あんまり批判はすんなよ"という空気が、テレビに蔓延している。
まあ、タブーのひとつなんだろう。
貴乃花親方、そして元横綱若乃花の兄弟は、われわれ世代は幼稚園の時からテレビで見てきた。お茶の間の期待通りともに横綱となり、弟は大横綱になった。
父親が亡くなってからの花田家は、あまり幸せそうに感じない。貴乃花親方は、先日も東北巡業で倒れ救急車で搬送されるも、妻の景子さんは駆けつけることもなかった。
なんとか残って改革をしてもらいたいが、意思は固いようだ。
もりもと なおき