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石巻市大川小に立てば、犠牲になった子らの声が聞こえてくるはずだ

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このニュースを聞き、虚しさを禁じ得い。東日本大震災の津波で、宮城県石巻市大川小学校の84人もの児童らが犠牲になってからすでに8年8ヵ月。行政の防災対策の不備を巡る裁判での敗訴が確定、最高責任者のひとりである石巻市長がやっと遺族に謝罪した。

大川小の現地に立てば、当時の学校、教員の責任の大きさが迫る

私は大川小学校を2度訪ねたことがある。現地に立ち瞬時思ったのは、校舎の直ぐ裏側、走ったら子どもでもわずか2〜3分の裏山になぜ子どもたちを駆け上がらせなかったということだ。

これは結果論じゃない。現地に立てば誰でも瞬時に思う。

2011年8月の大川小学校

しかしながら当日、大川小学校の教師たちはそれができなかった。
いまさら亡くなった教師らの批判はしたくないからやめておくが、運動場に子どもたちを長々と整列させた挙句、結局、津波に飲み込まれた。

逃げるかとどまるか、どこへ逃げるかー。教師間の意見がわかれ、いたずらに時間だけが過ぎたようだ。

遠くに押し寄せてくる津波を見て、裏山へ一挙に駆け上がり難を逃れた児童がいたが、彼も当時の状況を証言した。

一、二審敗訴、さらに上告も棄却。批判されるべき行政

ところでこの津波で犠牲となった児童23人の遺族が起こした大川小訴訟ではさる10月、学校の事前の防災対策の不備を認めて市と県に14億円余りの賠償を命じた裁判は最高裁が県、市の上告を棄却。二審判決がやっと確定した。

一審で県、市は敗訴し判決を不服として控訴し、また敗訴。さらに最高裁に上告していたが、私はあり得ない対応だと思ったが、やはり最高裁は棄却した。

やっと謝罪した石巻市長。裁判長引かせた県市の責任大

そしてこの度、大川小学校を巡る裁判の判決が確定したことを受け、亀山紘市長が1日遺族に謝罪し、今後の学校防災への対応を約束したという。

児童の遺族らが出席した説明会で石巻市の亀山市長は「取り返しのつかない悲劇を起こした。事故後の対応でも遺族を傷つけ申し訳なかった」と謝罪しました。
また伊東昭代県教育長も「県内の教員を対象に大川小での研修を行っていきたい」と謝罪した。

説明会の後、亀山市長は大川小学校を訪れ、亡くなった児童らに手を合わせたという。

全国の全ての教員は大川小学校に一度は立つべきだ

私は当時、県議会の文教厚生委員会で学校防災について議論した時、『教員なら一度は大川小学校を見てくるべきだ。学校防災について、災害時の教員の行動について、亡くなった子どもたちが教えてくれるはずだ』と、教育委員会幹部に言ったことがある。

南海トラフの巨大地震がいつくるかわからない今、子どもたちを守る学校マニュアルは、きちんとできているんだろうか。

もりもと  なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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