今や経済界でも25%が安倍の途中退陣望む
安倍一強だったわが国の経済界も、安倍晋三には微妙な風が吹き始めたようだ。ロイター通信恒例の企業調査によると、7月の調査では『次も安倍』などという期待値が他の候補に比べ圧倒していたが、それからわずか4か月ー。
今度は任期終える前の退陣を求める声がなんと25%も。
そしてわずかだが石破茂氏が安倍をしのぎ次の首相にふさわしい政治家のトップに。
環境大臣となったものの、パッとせず国民の間でも落胆の声が広がる小泉進次郎は、大きく後退した。


経済界でも空気は微妙、一般国民は押して知るべしだ
本来、現政権を強く支えるはずの経済界でこの空気だ。『すでに腐敗が顕在化している』との厳しい声もある。
さすがに不祥事が発覚の度に公文書の改ざんや隠ぺいで乗り切ってきた安倍政権に、良識ある経済人は不審を抱くのは当たり前だろう。
ましてや一般国民は押して知るべし。モリカケ疑惑から桜を見る会まで、数々の不祥事を乗り切ったと思ったら大間違いだ。経済界の何倍もの厳しい目で安倍政権や烏合の自民党政治家を見ているはずだ。
安倍政権、ごまかしや隠ぺい目に余り、腐敗は顕在化と
この調査は11月20日から12月2日までの期間に実施、250社程度から回答を得た。
調査では2021年9月までの任期を全うすることが望ましいとの回答は59%と過半数を占めた。「経済の安定」を評価する声もあるが「任期中退任は混乱を招く」「後任候補が思いつかない」など、消極的理由での回答もあった。
また、任期満了が望ましいとしつつも「ルールを変えてまでの3選。絶対的な権力は腐敗する」「すでに腐敗が顕在化している」との厳しい意見も数多く寄せられたのは注目に値する。
一方、任期満了前の退陣を求める企業も25%もあった。長期政権の弊害として「ごまかしや隠ぺいが目に余る」といった当然の指摘が多数あった。アベノミクスの失敗を挙げる企業もあった。
次期首相、石破茂がトップ、安倍、小泉は大きく後退
7月調査では、『次期首相に望ましい人物』として安倍と回答した企業は37%を占め、飛び抜けて支持が高かった。小泉氏も21%と高い期待を集めていた。
ところが今回調査では安倍16%、小泉11%と大幅に後退。

代わって増えたのは石破、岸田文雄、菅義偉、河野太郎で、中でも前回10%だった石破への支持は17%となり、安倍を抜きトップとなった。
石破は安倍に媚びることなく、はっきりモノを言うから
石破の支持がここまで高くなったのは、安倍政権に対してもきちんとモノを言う姿勢への評価だと考える。
党内基盤の弱さを指摘する向きは多いが、安倍一強が続いたことは逆に、今の自民党政治家の大半が、長いものに巻かれろ式の、毀誉褒貶の塊みたいな連中がいかに多いかということだ。
経済界、国民から石破を押す声が多くなれば直ぐに安倍離れが加速するのは目に見えている。
日本支社の調査とはいえさすがロイター、外国通信社だ。日本の新聞の世論調査では分からないひじょうに興味深い結果だった。
もりもと なおき