なぜ私たちは桜に心惹かれるのか

3月半ばから5月まで、
日本列島は桜一色になる。
国全体が、
全ての国民が、
ひとつの同じ花に感動し、
命が躍動する春を
心から歓迎する。
パッと咲いてパッと散る…
この潔さも私たち日本人に
合っているのかもしれない。


開花は年一回。
それもわずかな時間…
バラやチューリップが一年中、
フラワーショップに行けば手に入るのと違い、
どんなに権力があっても
カネがあっても、
桜は春のひとときしか
楽しむことはできない。
桜は公平なのだ。
そして、
桜を見ることができるのは、
私たちが生きる年つきと同じ数だから価値があるのかもしれない。

あと何回、
見れるんだろうと毎年、思いながら、美しい桜を求めて歩く。
もりもとなおき