癌患者は自分のCTやMRI、PETや内視鏡の検査結果が一番、心配だ。私など全く気にしてないふりをしているが、内心は毎回、ドキドキなんだよ。
先月、入院中に造影剤CTをしたが、その日は医師から特段連絡がなかったので翌日、教えてくれるんだろうと、思っていた。
ところが夜になり主治医のひとり、高須千絵Drが息咳切って病室へ。『遅くなりました!結果はバッチリでしたよっ!』と、嬉しい知らせをくれた。

高須Drはこの日は手術日だったのだ。遅い時間にオペが終わってお疲れの中、私のCT画像を放射線の専門医と一緒に綿密にチェックしてくれていたのだ。
『翌朝と思ったけど、良い結果を早く知らせたかったから』と。
私は保育園のお迎えを心配したが『きょうは主人が』で、ひと安心でした。
また、先日は何と早朝の6時13分に病室に。驚く私に『きょうは学会に出席で病院を開けますが、森本さんのお顔だけ見に来ました』と、ニコニコ顔で。
良い検査結果を知りたい患者の気持ち、信頼する医師の顔を見るだけで患者が元気になることをご存知なんだろう。
そして私のあらゆる疑問には100%即答してくれる。
さすが徳大消化器外科が誇る女性医師だと、いつも感動している。
高須Drは小学生と保育園年長さんの二児を持つママさんドクターだ。徳島大学医学部卒業後、まもなく博士号も取得。米国カリフォルニア大学アーバイン校(超名門校)にも留学したエリート外科医。
女性医師にとって"重い"消化器外科に進んだのは親分、島田光生教授がいたこと。
さらに島田教授により、女性が子育てしながらきっちりキャリアを積める環境づくりが同科で進んでいたことだという。
ダンナ様や医局のサポートの元、2人の赤ちゃんを育てながら医局勤務も続けたし、たくさんのオペまでこなしてきたから凄い。


家庭と仕事の両立はもちろんだが、高須Drの目指すのは、一流の外科医だろう。
ちなみに彼女の父上も外科医で私とほぼ同い年。自慢の娘さんだろうなと思う。
徳島大学医学部医学科は最近は合格者の40%を女子が占めている。しかしまだまだ外科へ進む女性は希少だ。
高須Drみたいな女性外科医がもっと増えれば、日本の外科医学界の層は間違いなく厚くなる。
頑張って欲しい。
(写真は徳島大学病院外科HPの『日本一厳しい外科で働くママ外科医として・高須千絵』から)
もりもとなおき