やはりあからさまな女子差別はあった
やはり昨年春までは多くの私立大学医学部で、あからさまな女子受験生差別が行われていたことを裏付けるような数字が出た。
この春、医学部進学者の多い女子高校を12校中心に医学部への合格者数を週刊朝日が調査している。
それによると医学部への合格者、合格率が飛躍的に伸びていたことがわかった。
どの医学部も不適切な選抜の中心になっていた女子受験生や多浪の受験生へ、根拠の無いハンディをつけるのをやめて、公平な受験に移行した証左だろう。
東京医大は昨年女子34人から今春95人に
ちなみに文科官僚の贈収賄事件に絡み、私大医学部入試の不正問題の発端となった東京医科大学は、18年の女子の合格者は僅か34人だった。
それが、この春は何とほぼ3倍の95人に。合格倍率は18年は女子44.6倍、男子13.0倍と、激しく差がついていたが、今年は、女子5.7倍、男子5.8倍とほぼ互角になった。
公平な入試が行われたんだろう。
■名門女子高は医大合格者急増
医学部進学の多い女子高だが、具体的に数字を見ると白百合学園は112人(前年比69人増)と、2倍以上に増加。女子学院101人(同51人増)豊島岡女子学園150人(同43人増)など。12校の合計は1007人でなんと211人も増加した。
文部科学省から不適切な入試を指摘された私立大学医学部を中心に、正常な形に戻り女子が増えたようだ。
医師の働き方改革を忘れてはならない
一見、医学部入試も正常には戻ったかもしれないが、やはり長年に渡り男子受験生を優先してきた医大の論理というか、附属病院を運営する厳しい現実も忘れてはならない。
すなわち休みもなく長時間働くという附属病院のブラックな職場環境。入試の改善と共に、この抜本的な医療環境の改革も不可欠だ。
もりもと なおき