経団連会長、新卒採用の完全自由化示唆
経団連の中西宏明会長が先日会見で示した大学新卒生の会社訪問の解禁日などを定めた就活ルールを、2021年から取っ払うとの方針が、学生や企業に大きな波紋を呼んでいる。
中西会長はその中で、就活の時期を経団連が決める必要があるのかとも述べ、新卒採用の完全な自由化も示唆した。
だいたい経団連のオヤジの言うことに賛同することは、私も行革の土光さん以来なかったが、この度は全面的に賛同したい。やはり日本企業がグローバルな戦いをしていく上で、旧態依然たる今の雇用システムから変えていくべきだ。
こんな光景は見られなくなるか⁈
今回の中西会長の方針転換は、経団連の取り決めに拘束されない外資系やベンチャー企業が、解禁日までに優秀な人材を取り込んでしまうことへの日本の大企業の焦りも背景にあるのは間違いない。
現実に就活解禁日には、元々人気のある外資やベンチャーに決まっている学生がことしも多かった。
あまりにもムダに長過ぎる就職活動
ことしは3月1日説明会開始、6月1日面接開始、10月1日内定式、との日程だった。
これだけでも7ヶ月という長いスパンだがこれより前、大学3年生時にはインターンシップもこなさなければならない。結局、普通でも1年近く就職活動に拘束され、本来の学問分野での勉強が全く疎かになっている。
また留学を考えている学生は1年を棒に振る覚悟がいる。3年までに頑張って所定の単位を取得、4年時は半年間、留学をしたくとも、就活と被り不可能だ。
経団連の今回の方針から判断し、経団連は、最終的に新卒採用、ひいては日本的雇用システムを廃止したいと考えているようだ。
実際に中西会長は、会見で「終身雇用や新卒一括採用をはじめとするこれまでのやり方では、企業は成り立たなくなっていると感じている。各社それぞれ方法があるはずで、企業ごとに違いがあってしかるべき」という考え方も示した。
日本型採用、雇用システム打破し、グローバル化を
多くの企業がグローバルな競争にさらされている。こんな中、日本の採用、雇用システムはもはや立ち行かなくなっているのではないだろうか。
学生たちの間ではとっくに日本型終身雇用制度にわが身を置く発想は、終わっている。苦労して入った会社でも、より条件の良いところを求めてさっさと転職するし、それを求める企業も多いと聞く。
こんな状況なんだから私は企業も一斉に新卒採用するんじゃなく、通年採用とすべきではないのかと考える。
例えば半年、1年の留学を終えた学生がその足で企業に向かい面接を受ける。無意味な就活を何ヶ月も繰り広げ、何社も内定をもらうような愚を、企業も学生もするべきではないだろう。
もりもと なおき