聖火リレースタートもランナーが辞退ドミノ
きょうから東京五輪パラリンピックの聖火リレーがスタートするが、タレントら有名人の聖火ランナー辞退が相次いでいる。
本来、いかなるイベントでもドタキャンはすべきではないし、プロとして許されないのだろうが、彼らの気持ちが手に取るように理解はできる。
福島Jビレッジからスタートする聖火リレー第一走者だった元女子サッカーワールドカップ優勝チーム、なでしこジャパンキャプテンだった澤穂希さんも、体調不良を理由に2日前に辞退するなど、まだまだ辞退ドミノは続きそうだ。

森喜朗氏の女性蔑視発言から辞退ドミノが始まった
最初は東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長、森喜朗氏の女性蔑視発言などに抗議し、ロンブー田村淳さんが聖火ランナー辞退を表明。森発言に抗議する一般の女性ランナーらも次々と辞退を表明してきた。
さらに様々な世論調査でもやはりコロナ禍の影響から、東京五輪の中止や延期を望む人の割合が70〜80%を占めている中、ランナー辞退の動きは加速する一方だ。
これまで出身地などで走ることになっていた俳優の渡辺徹さん、歌手の五木ひろしさん、フィギュアスケートの宇野昌磨さん、TOKIOや女優の常盤貴子さん、黒木瞳さん、広末涼子さんら有名タレントやスポーツ選手の辞退は続いている。

コロナ禍の五輪や聖火リレーにはっきり疑問を投げかける人も
タレントたちは大半が『スケジュールの都合』を理由にしているが、これを間に受ける人はいない。
2012年のロンドンパラリンピック競泳金メダリスト、秋山里奈さんもこのコロナ禍で大丈夫かとの疑問を抱いていることを明確にし、辞退した。
黒木瞳さんも沿道が密になる心配をあげるなど、やはりコロナ禍での聖火リレー、さらに五輪強行への疑問も広がっているのは間違いない。
世界の世論でも強行すべきでない、延期すべきが70%を超え、90%を超える国もある。どの国でも今は五輪よりさらに拡大してきた変異株による感染爆発を、抑えることが最大関心事であるのは当たり前だろう。
今はアスリートファーストより国民の命ファースト
アスリートファーストの五輪より、このコロナ禍から国民を守ることより大切なことはない。
元女子マラソンの銀メダリスト有森裕子さんの『五輪開催は社会ファースト。ちゃんとした社会があって初めてその下にスポーツや文化がある。五輪はそのひとつに過ぎない』とのことばは重いし、当然だ。
様々な関係者の利権やら、政治家が政権浮揚のために利用するなら、論外と言わざるを得ない。
コロナ対策に全力を。東京五輪で世界中の変異株が撒き散らされるとしたら、地獄絵図しかない。
もりもとなおき