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職員不祥事で自らも辞職。和光市松本武洋市長の責任の取り方

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自身ではなく職員不祥事で市長が引責辞職する潔さ

職員の不祥事の責任を取り辞める首長は聞いたことがない。普通は謝罪会見で頭を下げ、せいぜい給料の減給や1〜2か月分返納するくらいだ。

ところが埼玉県和光市の松本武洋市長(51)が職員の不祥事の責任を取り来月8日付けで引責辞職し、次の市長選挙には出ないことを表明した。

当然、今後の転身などを噂する人もいるが、自身の市長としての責任を明確にしての辞職はトップのケジメとして、なかなかできるものではない。

和光市役所

行政手腕や人柄も高く評価され、市民に人気の市長だった

関東ではやり手の市長として、地方自治のトップランナーとして手腕は高く評価されていた。職員、市議会の信頼もひじょうに厚く、市民にも人気があった。早稲田OBで元ジャーナリストだ。

現在3期目で来月の市長選挙は無投票4選が確実視され、『辞めるな』との声も高まっているが、意思は固いようだ。

私も5年前、仕事を通して知り合い、ずっと歳下の市長さんだが一目も二目も置いていた。

職員どころか自分が不祥事を起こしても、地位やポストにしがみつく見苦しいヤツしか目にしない政界だからより一層、彼の潔さと責任の取り方が際立つ。
まだ51才。きっとまだまだ出番はあると信じたい。

以前、市長を訪ねた時のツーショット。左が松本市長

住みたい街トップ3に選ばれた都心に近いベッドタウン

和光市は最近、住みたい街で全国トップ3に選ばれた人気の街。財政力も強く松本市長の3期12年の街づくりの成果でもある。

地理的には東京都板橋区の隣り。都心に直結する東部東上線や東京メトロ有楽町線、同副都心線が和光市駅に乗り入れ、池袋や新宿まで10数分〜20分の至近距離だ。

問題となった職員の不祥事は2012年から2018年に、福祉事務所長と保健福祉部長を務めていた東内京一被告(57)が、市民から預かったカードで現金7000万円を引き出すなどし、窃盗罪などで起訴された。

職員による悪質な事件へのトップの責任と任命責任

松本市長はトップとしての事件への責任と、このような人物を件の部長とした任命責任をとりたいという。

本来1年以上前に辞職するつもりだったが、コロナ禍で裁判が遅延したこと、当然、コロナ対策に全力をあげてきたため、辞意が遅くなったようだ。

残り任期はほとんどないため、松本市長が辞職しても市長選は任期満了時と同じ日程(5月25日)で行うが、ご自身はもちろん出馬しない。

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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