安倍首相が答える参院選勝敗ラインがだんだん下がっている。終始、安定した内閣支持率を示してきたほか、各社世論調査を見ても、なぜこんなに低いラインを設定するのか、自民党内でも意見は別れる。

自公堅調の中、首相の低い勝敗ライン設定は、負けた場合の責任論の回避?
公示直後の共同通信世論調査が、今朝の新聞に出ている。全国3万人が対象たがら、かなり精度は高い。それによると自民党は堅調、安倍首相が設定した数字を大きく上回り、自公で改選過半数を上回る勢い。
さらに改憲勢力で3分の2以上を維持しそうという。
万が一の場合、責任論を回避するためというのは見え見えだが、ご本人が主張する与党の勝敗ラインは自民党だけならわずか40議席程度。
3年前は56議席を獲得しているから余りに少ない目標。これでは意気が上がらないとの若手の声も多い。
あまりに低すぎる首相の勝敗ラインに党内からも異論が
3年間、やってきたことに自信があればこれほど消極的な数字を言うはずもなく、モリカケ、アベノミクス、ロシアとの北方領土に係る問題、1ミリも進展しない拉致問題、さらに年金…
本当は自分自身、かなり不安なのかもしれない。
安倍首相は勝敗ラインについて「与党で非改選を合わせて過半数」(123議席)とした。
自民、公明両党の非改選議席は計70なので、目標達成には今回の改選で計53議席で達成する。
公明党が前回2016年参院選の14議席とほぼ同じ結果を残せば、自民党は40議席程度で済むわけだ。
自民党は前回選挙で56議席(追加公認含む)を獲得しているから、「40議席程度の目標では低すぎる」との声も党内にある。
二階幹事長らも「与党で改選過半数」を掲げる。この場合は自公で63議席が必要だから、自民党だけで50議席程度はいることになる。
改憲勢力が、必要とする3分の2以上確保の可能性大か⁈
与党と日本維新の会など憲法改正に前向きな勢力で参院総定数の「3分の2」(164議席)に達するかどうかも焦点。
これは過去の世論調査では安倍首相には改憲させたくないのが最も多い。こうした世論が投票行動に微妙に影響を与えるかもしれない。
改憲勢力の非改選議席は無所属の渡辺喜美ら3氏を含めて計79。今回の参院選で「3分の2」を超えるには、85議席が必要となる。
これだけ大手マスコミが忖度報道を続けきただけに、私は各社世論調査をあまり信用していない。
消費税、年金など本当なら自民党が勝てる要素は何もない。参院選は時の政府に国民がお灸をすえてきただけに、今回も本来なら自民党は苦戦を強いられる番だ。
しかし……
代わりの勢力があまりにも頼りなく酷いのは否定しない。
もりもと なおき