『いつも必ず起きてる私だが、早朝、大声で何度呼んでも起きないので慌てた看護師さん』
私は病院では全然、眠れない。病院どころか東京のこぎれいなホテルでも同じだ。要するに自宅で自分のベッドと枕じゃないとダメなのだ。
もうひとつ欲を言えば約80cm隣りのベッドで寝ている妻の軽い寝息が聞こえないとダメなのだ。


そんな訳で抗がん剤治療のため月に1〜2回、各数日間入院する徳島大学病院でも、最も眠らない患者であると自負している。
われわれ患者が就寝中の深夜、未明も看護師さんたちは病室を巡回する。そんなとき私はほぼ起きていて、タブレットで音楽を聴いたり映画を観ている。
早朝6時過ぎには2人が朝の検温に来るが、その時も私はまず起きている。しかし一度だけ爆睡している時があった。
看護師さんはまず『森本さ〜ん、おはようございます』と声をかけるが、その時はもちろん返事はしなかった。
で、看護師さん2人はさらに『森本さーん!』と呼んだらしいがまだ起きない。そして2人の叫び声のようなデカい声でやっと目が覚めた。
起きたら2人が大きな声で『大丈夫ですか⁈』と枕元に。
普通に寝てただけなのに『君らこそ大丈夫か?』と思ったが、どうもいつも絶対起きてる私が全く返事がないので、慌てたようだった。私に異変はなかったが。
よく眠れないからと焦り、睡眠薬を処方してもらう人はいるが、私は眠剤は身体に向いていない。
本当に眠くなったら眠れるはずだと考えてるから、眠れない時は逆に得をした気分なのだ。
しかしきちんと睡眠を取らないと、免疫力が落ちると言われると、少々、焦る。
もりもとなおき