英国総選挙、保守党圧勝でやっとEU離脱へ
英国が総選挙での保守党の歴史的勝利で、やっとEUを離脱しそうだ。
3年前に国民投票で離脱が決まりながら、メイ首相の下、あーでもない、こーでもないと国会が揉めまくった。
そして国民投票のやり直しの声も高まったことで、離脱はもうやめるのかなと何度も思わせたり、離脱に向かったり。

分かりにくかったこれまでの経緯
当初は興味深く推移を見守ったが、こちらも途中でさっぱり状況が飲み込めなくなり、もうどーでもいいわとなっていた。
あと、各社、記事の扱いは外信部だろうが、記事が分かり難すぎたのも、興味を失った原因だ。
しかしこの度の総選挙で、国民が離脱派急先鋒のジョンソン首相率いる保守党を圧勝させたことは、やはり英国民が離脱への背中を強く押したことにほかならない。
やっと振り出しに戻った感じで、これで一気に離脱へ向かうのは間違いない。

個別に結ぶFTAは一体、いつまでかかるのか?
しかしあまりに課題も多い。
一番にイギリスはEUと個別にFTAを結び直す必要があるが、すでに移行期間は来年末、たったの1年間しかない。
このためその期間を延長するか否かをまた6月に判断するというから、ややこしく、まだすっきりとはいかない。
もちろんFTA交渉はEU以外、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドとも結び直す必要があるるのは言うまでもない。
こうした交渉は普通、短くとも3年も5年もかかると言われる。そして果たして交渉が英国に有利に運べるのかも大いに疑問だ。
離脱するんじゃなかったとの結果になる可能性だってある。特に若者は将来に不安を感じており、今回の総選挙では離脱反対派が多い労働党支持が多かったという。
日本への影響はあるのだろうか⁈
さて日本への影響だが、ホンダは国民投票でEU離脱が決まった直後、英国から撤退。日産もSUVの生産計画を取りやめたという。
これの2件だけでも英国にとって離脱はマイナスとなっている。
それでも未だに理解不能なのは、なぜ英国民の過半数がEUから離脱したいのかということだ。
もちろん英国は大国であるが、ややこしい手続きに追われても、一国でやっていくメリットはどれだけあるのだろう。
一歩間違えたら、また斜陽国家の再現もなきにしもあらずだ。
もりもと なおき