当の受験生はもちろん、教員や大学の先生までが反対していた2020年度からの大学入学共通テストで導入される英語民間試験。7割の大学が活用する方針だという。

3割の大学が活用に『NO』を、文科省は重大に受け止めよ
英語民間試験は来年4月から受験が始まる。しかし大きな反対の声の中、文科省の調査では8月の段階で、まだ約3割の大学が活用するか否か決めておらず、受験生の不安につながっていた。
このため文科省が10月、全ての大学に活用の有無の報告を求めていた。
結局、8月の時点と同じ数字だったが、7割が多いのか、少ないのか。国が決めたやり方に3割が『NO!』の意思を示したことを、文科省は重大に受け止めるべきだ。
活用しない主な大学は国立大学では旧帝系の北海道大学、東北大学など。私立では慶応、明治が現段階で使用しないことを表明した。

国立は95%が活用決めるも、私立は65%どまり
文科省によると英語民間試験を少なくとも一つの学部や学科で活用する大学は539大学、全体の70.9%だった。
内訳は国立78校95.1%▽公立78校85.7%▽私立383校65.2%
これらの大学には受験生の英語民間試験の成績が、大学入試センターのシステムを通じて提供されることになる。
慶応大、明治大は大学入試センターの成績提供システムは利用しないが、成績は一部入試の評価に使うことになっているという。
結局は大半の受験生が民間試験を受けざるを得ないのでは?
大学独自の方針は全く異論はないが、受験生にとったらどうか。
英語民間試験に反対している受験生も結局はほぼ全員が受けなければ仕方ないのでは?
例えば北大受験生。早稲田を併願しようとしたら当然、受けておく必要がある。
また私立大学はより顕著で、明治の受験生なら100%、早稲田や中央や法政のどこかは併願する。そのためにも英語民間試験は外せない。

このように、英語民間試験の導入は極めて矛盾に満ちている。
採用する試験が多種類で公平性が担保できない不安もある。
またこうした併願を考える場合、結局、必要になってくる。
英語教育の中で大学入試に民間試験を導入することには全く異論はなかったが、これだけ不公平感、矛盾が浮き彫りになると、やはり準備不足だった、周知期間が短すぎたと言わざるを得ない。
受験生ファーストとは程遠い制度の変更となっている。
もりもと なおき