この人物に懲役16年は余りに短いとの思いはともかく、刑事裁判でこれだけ裁判長の静かな怒りが判決文に表現された裁判は、私はほとんど記憶はない。検察控訴で改めて死刑求刑して欲しいくらいだ。

考えれないほど凄惨、陰湿で先例ないほど悪質
千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10才)が昨年1月、自宅浴室で死亡した虐待事件で、傷害致死などの罪に問われた父親、勇一郎被告(42)の裁判員裁判の千葉地裁での判決公判。
前田巌裁判長は『尋常では考えられないほど凄惨で、陰湿な虐待』『先例を超えて極めて悪質性が高い』と、懲役16年(求刑懲役18年)を言い渡した。
これまでの公判で勇一郎被告は傷害致死罪の成立を争わないとした一方、卑怯にも死亡にいたる壮絶な暴行の多くを否定したが、判決は起訴された6つの罪を全て認定した。
不満のはけ口として常態化した虐待で、心愛さんは絶命した
判決の中で前田裁判長は『理不尽な不満のはけ口として虐待を常態化させた』と、勇一郎の暴行、虐待が日常的だったことを指摘。
起訴されたものだけでも最初の暴行から死亡するまで、なんと1年2か月もの間、断続的ではあっても虐待が日常化していたことには『未来への希望を抱く年代に、社会からも身内からも助けてもらえず、実父から虐待を受け続け絶命した無念さは、察するに余りある』と、述べた。

被告の供述は信用できない、反省もない
また公判で勇一郎が暴行を否定した部分については『客観的な状況と整合しない。都合の良い部分をつまみ食いして事実と強弁しており、信用できない。反省もない』と、勇一郎の公判での証言も厳しく糾弾した。
身内からも社会からも助けてもらえなかった…
裁判長の言葉の中で"身内からも社会からも助けてもらえず…"とあるが、これは母親であり、地元の教育関係者、児童相談所だ。
勇一郎のDVで支配されていた母親はともかく、児相で関わった連中は、自分たちの重大な責任を生涯、反省して過ごすべきだ。
もりもと なおき