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視覚障害者のための音響式信号機、騒音苦情から84%も時間制限

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音響式信号機、導入の趣旨が泣く稼働制限

視覚障害者に、横断歩道での青信号を音で知らせる音響式信号機があるが、全国で整備された約24000基のうち、何と80%以上が音の出る稼働時間を制限されている(毎日新聞調査)

理由は周辺からの"騒音被害"の訴えだが、夜間は別の生活音も減り、より大きな音量が聞こえるからだろうか。
夜間は音量を下げるなどして24時間時間制限なく対応ないものか。

時刻制限は視覚障害者は夜は外出するなというに等しいとは、行政はだれも思わないのだろうか。こうした形になると導入の趣旨が泣く。

とにかくびっくりした。本来なら24時間、稼働すべきものだ。もし整備された場所で音の出ない時刻に視覚障害者が横断歩道を渡るとしたら、極めて危険だ。

音を消したあと、視覚障害者の死亡事故もあった

現実に過去に稼働制限時刻に死亡事故もあったというから関係者にとっては深刻だ。そしてこうした事故の事実があっても改善しない行政の対応に驚く。

音響式信号機は必要だから設置されたのだ。きちんと稼働させることを法律や条例で縛れないものか。

音響式は全信号機の10%、さらに84%で夜間、消音に

全都道府県警が毎日新聞のにアンケート調査に回答した。
それによると全国の信号機総数は20万8152基で、音響機能付きはわずか約10%の2万4367基。さらにそのうち稼働時間を制限しているのがなんと84%2万445基もあったという(2019年末現在)。

だから全ての信号機のうち、視覚障害者のためにきちんと稼働しているのは、わずか3922基しかなかったということだ。

音響式信号機のすべてで稼働時間を制限していたのは、秋田、山形、栃木、兵庫、徳島、福岡、長崎、沖縄の8県。一方、岩手、宮城、香川の3県は制限している信号機の割合が3~4割台と低かった。

福岡や熊本、群馬など9県の計37基は近隣の苦情などにより音の出る機能を終日止めていたというから呆れる。

稼働制限は午後7時から翌朝午前7〜8時が多かった。

知恵絞り24時間の稼働を目指すべきじゃないのか

これらのデータを見て、音響式信号機が全信号機の10%にしか整備されていないのはあまりにも少ない。
さらにその84%が時刻制限されていることに何とも虚しさを感じる。

行政は騒音苦情のある周辺と、これ以上、話し合いの余地はないのか。条例などで稼働制限できないよう定めることはできないのか。さらに夜間、音量を落とすなどの改良はできないのか。
もう少し知恵を絞るべきだ。

やかましいから止めろでは障害者福祉など無いに等しい。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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