世の流れにこれだけ逆行する地方議会はあっただろうか⁈
しかしどこまで世間ズレしているのか。徳島県藍住町議会がなんと定数を2人、増員する動きだとか。
すでに議会改革調査特別委員会を開き、定数を16から18に増やす条例改正案を20日の9月定例会本会議に委員会提案すると賛成6、反対5の賛成多数で決めた。
議会改革の委員会で定数増を図るというなんとも厚かましい改革だ。
委員会可決されたから、20日の本会議で可決される可能性は高い。

確かに人口は多い。現在、人口は35000人余だから、ちょっとした市くらいはある。
だから16人では町民の声が届きにくくなってきたというのが、定数増の理由だ。
しかしこの町は非常に狭い。わずか16.27平方キロメートルしかなく、平坦な地形。人口密度は2155人もいるが、16人が機動力を持って動けば、町民の声は十二分に届くと思うが。
実は今から40年近く前、この町は新聞記者時代の私の守備範囲のひとつだったことがある。
当時は有名な政争の町だった。町長選挙を巡って2派が対立、いつも議会は揉めていた。
議長選挙を巡る金銭の授受が贈収賄事件に発展したこともあった。
その頃の人口はちょうど2万人になったところ。合併もなく人口が増え続けている。
2万人当時で町議会議員は確か20人か22人だったから、その後、議員たちは大変な努力で定数減を図ってきたはずだ。
それなのに…
今期、すでに2人が不祥事で議員辞職とは…
最近でも飲酒運転や、自身が代表を務める介護事業所が介護報酬の不正受給し、2人が議員辞職したと聞くから、定数増以前に議会としてやるべきことがあるんじゃないか。
4年前の選挙結果をみたが、定数16人に対し立候補は19人。全く激戦でもなかった。
あとトップは1434票だが、最下位当選は288票でトップの5分の1だ。これに定数が2人増えたらどうだろう。
ひとつ救いは特別委の議決が6対5だったこと。5人が反対した。
いくらなんでも世論の声は聞こえているはずだ。本会議での否決を期待したい。
もりもと なおき