美しい音楽が映画をさらに引き立てた
どうしたらこんな美しいメロディをつくる ことができるんだろう。ちょうど私たちの思春期と重なっていたからいつもそう感じながらサウンドトラック盤を聴いていた。
映画音楽と言えば真っ先に頭に浮かぶ。映画音楽の巨匠、フランシス・レイの訃報がフランスから届いた。
フランス・グルノーブル冬季オリンピックの記録映画『白い恋人たち』。
同名のサントラ盤を聴くだけでアルプスを滑走するキリーらスタースキーヤーたちが浮かんでくる。
フィギュアスケートのジャネット・リンの人気が爆発したのも、この五輪だった。
選手の息づかい、澄んだ冷たい空気までも肌で感じるメロディだった。
個人教授〜ナタリー・ドロンに憧れた高校時代
忘れられない映画『個人教授』。この音楽もフランシス・レイ。
名門高校に通う少年(ルノー・ベルレー)が、ふとしたきっかけでずっと歳上の女性(ナタリー・ドロン)を好きになってしまい互いに引かれ合うラブストーリー。
その後の歳上女性もののモチーフとなったような美しいシネマ。
自分ではあり得ない世界に心打たれ、名古屋駅前の映画館からボーっとしたまま出た高校生の日を今でも覚えている。しばらくナタリー・ドロンでアタマが一杯だった。
サントラ盤はもちろん買ったし、深夜放送では毎晩のように流れていた。
あの有名な『男と女』。アカデミー賞受賞『ある愛のうた』『パリの巡り合い』…
こんな美しい音楽をつくる作曲家はもう出ないでしょうね。
もりもと なおき