胸が痛んでニュースを見たくない。昨年10月からオーストラリアの東海岸各地で発生した森林火災は、ますます猛威を振るっている。日本の夏の集中豪雨が、今、オーストラリアに降り注いでくれたらと思う。

カンガルーやコアラなど既に15億を超える動物が犠牲に
火と煙にまかれ逃げ惑うカンガルーたちや、木の上で逃げることもできず焼け死んでしまうコアラたちのことを思うと胸が苦しくなる。
この森林火災で既になんと15億を超える様々な動物たちが死んでいるだろうという。そして生き残った動物たちにとっても、火が消し止められた後には食べ物が何もないという、厳しい現実が待ち受けている。


森に行けばたくさんいたコアラが、既に絶滅危惧種に指定しなければならないほど、犠牲になっているというから、この森林火災の凄まじさを示している。
消火活動も命がけだ。消防隊員やボランティアは、火と煙に巻かれながら命がけの活動を続けているが、火災はますます拡大、あと数カ月は燃え続けるだろうと言われている。

深刻な大気汚染ーCO2排出は世界で最大の火災の既に9倍に
大気汚染も深刻だ。すでに約4億トンの二酸化炭素を大気中に排出しており、山火事を悪化させる原因となっている気候変動にさらに拍車をかける事態となっている。
このCO2量は、CO2の低排出国116カ国の年間総排出量を合計した数字を上回っているという。また2018年にカリフォルニアで発生した過去最大規模の山火事で排出された量の9倍にあたる。
このため2019年のオーストラリアの温室効果ガス排出量(相殺後)の約4分の3を追加することになるというから、非常事態だ。
国際協力でできることはないんだろうか?
オーストラリアでは夏に山火事がしばしば発生する。原因は自然発火、人為的なものなど様々だが、近年は火災の期間が長期化する傾向にある。
オーストラリアへ旅行した人ならご存知だが、飛行機が大陸の上を飛ぶと雲一つなく、地上の建物や樹々まではっきりと目視できることに驚く。それだけ空気が乾燥しており、特にこの時期は全く雨が期待できない。
国際的にも手を差し伸べる動きはあるが、火災消火に関しては手の施しようがないのが現状だ。
動物たちに対して、何かできることはないんだろうかと考えるが、こうしている間にも犠牲は拡大している。
もりもと なおき