未分類

週刊文春記者はなぜこんなに頑張れるのか⁈

投稿日:

新聞記者の時、市民の知る権利に応え社会正義を守ることがジャーナリズムの唯一無二の使命だと信じていた。だからかなり無茶な取材もやるべきだと思っていたし、その思いは今も変わらない。最近は週刊文春の凄さに驚き、彼らの頑張りに感動さえしている。頑張りの源泉はなんだろう?

毎週、毎週スクープ記事が。文春記者たちの
頑張りの源泉は?

機密文書入手のため外務省の女性職員と男女の関係になった記者

昔、毎日新聞のN記者が外務省の人妻でもあった女性事務官と深い関係になり、極秘文書を持ち出させた事件があった。

結果、政府の沖縄返還機密文書をスッパ抜き特ダネとしたものの、国家公務員法違反で2人とも逮捕され、大騒ぎとなった。

国民にとって看過できない特ダネよりも、"女性と情を通じて…"など、スキャンダラスな話しに差し換えられ、政府は国民の批判をかわそうとしたが、世紀のスクープだった。この事件は後に映画化されまた話題となった。

取材の手段批判されてもニュースに高い価値あれば

女性の気持ちを利用し機密文書を持ち出させたとして指弾され、逆にそれが世間の耳目を集めたが、世紀のスクープに対する他社の嫉妬もあったと、私は思う。

そんな批判より政府が隠した機密文書をあからさまにしたことの方が、遥かに国家、国民にとって重かったのだ。

後に関係者が機密文書の事実を認め、特ダネの信憑性が認められることにはなった。

N記者が外務省の女性と男女の関係になったのは、愛情じゃなくネタをとるのが目的だったのは、本当だろう。
後に女性はN記者に利用されたと告白し、離婚もした。

国民の知る権利のために記者が裁かれる時もある覚悟を

もちろんネタを取るためならどんな手段でも許されるものではない。できれば違法なやり方はしてはいけない。

しかしながら社会正義のための特ダネの代わりなら、記者が犯罪者として司直の手で裁かれることがあってもそれはいた仕方がないと考えることがある。

私など田舎の新聞ではそうした場面はほとんど無かったが、そうした覚悟はいつもできていた。

件の毎日のエース記者は"犯罪者"として退社に追い込まれたが、恐らくジャーナリストとしての後悔は無かったのではと思う。

後悔は取材活動に巻き込んでしまった女性に迷惑をかけたことだけだろう。

文春の切れ目の無いスクープの陰には相当な努力があるはずだ

週刊文春もこの1〜2年だけを見ても、安倍首相に絡むモリカケ問題▼桜を見る会などの様々な疑惑▼河井夫婦の未曾有の選挙違反▼それに伴う自民党本部からの1億5000万円の資金提供▼黒川最高検検事長と記者の賭け麻雀▼自粛期間中の自民党国会議員の夜遊び▼現在は菅首相の長男の総務省幹部への違法接待疑惑ーなど、数々の政界スキャンダルを暴いてきた。

大新聞が足元にも及ばないスクープの連発の影には恐らく相当、肉体的にも精神的にも無理をしている取材活動もあるに違いない。

いつもいつも『文春によりますと…』は恥ずかしい報道機関

特ダネは麻薬みたいなものだ。記者の本能として、この事実を皆んなに知らせたいという中毒症状が起こってくる。

もちろんその背景には不正に対する怒りと、社会や政治を正したいとの熱い思いもあるからだ。
いつもいつも『週刊文春によりますと…』じゃなく全ての新聞、放送の記者たちの奮起を促したい。

新聞記者に文春記者の勇気と努力が全く足らないのだ。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

-未分類

Copyright© 森本尚樹の"社会面の作り方" , 2023 All Rights Reserved.