徹底したマスコミ拒否は、家族の幸せを守るためだった
山口百恵(三浦百恵)が還暦だそうな。花の中3トリオ以来の活躍、そして21才、三浦友和との結婚で電撃引退。
そのうち歌謡番組に出てくるだろうと全国の百恵ファンは願っていたが、ついにわれわれの前に姿を見せなかった。

もちろん、写真週刊誌などには何度か掲載されたが、全て失礼な盗撮だ。
夫三浦友和に愛され、2人の息子たちと幸せな家庭を築いているのは伝わってきたが、取材を受けない姿勢は徹底していた。
しかし最近、ベールに包まれていたその姿が少しずつ、分かってきた。
キルト集の出版は、ファンへの幸せな人生の報告だと思う
引退後初めての著書が26日、発売されたが、結婚後に作り続けてきたキルトの作品集で「時間の花束 Bouquet du temps」。何と初版10万部というから、出版不況の近年では異例の発行部数だ。
東日本大震災の被災地の復興を祈りながら針を運んだという「夢を灯す」というタペストリーなど、結婚後に作り続けてき70点が紹介されているとか。
綺麗な作品の写真には、彼女の短い文章も添えられている。


ゆっくりとした時間が流れる中、キルトに針を刺す百恵さんの幸せな姿が浮かんでくる。作品集はファンへのこれまでの幸せな人生の報告なのかもしれない。私はそんな気がする。
息子祐太朗が今、母の歌を
先日、ミュージシャンの道に進んだ長男の三浦祐太朗が、テレビで両親の話しをしていた。
生まれてから両親がケンカしているのを一度も見たことがないこと。
そして自分は有名な両親の名前に傷をつけないよう、子どもなりに絶対、人に迷惑をかけないよう少年時代〜青春を送ってきたと。
もちろん、両親にそんなことを言われたことは一度もなかった。
百恵さんが元大スターじゃなく、ひとりの普通の母親として子育てしてきたことが息子を見て伝わってきた。
マスコミをずっと拒否した理由もここにあったんだろう。息子が今、母の歌を歌うのは、母として感無量かもしれない。
やはり山口百恵は菩薩のような女性だったんだ
彼女の全盛期、『山口百恵は菩薩である』という本をジャズ評論家で新左翼に影響力のあった平岡正明が出版した。
"もはや彼女はアイドルではなく、神々しいくらいに輝いている存在ーまさに菩薩だ"ということを、熱っぽくしたためていた。

当時のヒットメーカー宇崎竜童・阿木陽子夫妻が徹底的に入れ込んだ国民的歌手でもあった。
われら60代。あの日『わがままを許してください。幸せになります』と静かに舞台にマイクを置いた百恵ちゃんを昨日のことのように、鮮明に覚えている。

幸せな人生で本当に良かった。
百恵さんは各地の被災地の復興のためにこの本の印税を寄付するという。
もりもと なおき