都心の大学の定員抑制なら、地方国公立大学の整備を
東京一極集中を是正するとして、政府は新年度から、東京23区内の大学を対象に、"学生の収容定員を増加させてはならない"と規定(10年の時限措置)したが、定員オーバによるペナルティを恐れ合格者数を抑制したためか、有名私大は突然、難化するなど影響が出ている。
この際、国は力のある学生がたくさんいる、地方の国公立大学の整備に力を入れるべきだろう。
私大の水増しに厳しい措置
定員増を認めないのはもちろん、入学者があからさまに定員オーバしているケースは、これまでもペナルティはあったが、国はこの春から、より厳格な対応を打ち出している。
私大ではこれまで合格者の入学動向を100%見極めることができないため、水増し合格するのが通常だったが、この春はペナルティを恐れ抑制。
この結果、浪人生が増え、都内の有名予備校では久々に入学できないケースも出ている。
こうした定員増を法律で凍結する方針には日本私立大学連盟は"学問の自由の重大な制約"になると批判。
小池都知事も"東京の国際競争力を奪う"と反対していた。
地方国公立大学にこそ有為な人材が
しかし東京だから、東京の大学だから果たして優秀なのか?
例えば上位とされる早慶などより、地方の国立大学にこそ優秀な人材は揃っていると、私は確信を持って言うことができる。
都心の大学の定員抑制は、首都圏に住む受験生が地方の大学に進んでみようと思わせるきっかけにもなればと、思います。
私の自宅近くには国立の徳島大学があります。医学部は四国最古。四国で唯一の歯学部、薬学部を擁し、理科系は戦前の徳島高等工業の流れをくむ伝統の名門大学です。
なんといっても青色発光ダイオードでノーベル物理学賞をとったカリフォルニア大学バークレー校教授中村修二さんも、徳島大学のご出身です。
近所だから学生諸君の日常生活も垣間見るし、キャンパスもたまに散歩しますが、楽しそうで地方には地方の学生の青春があることを実感します。
受験生も親もこの際、地元あるいは地方都市の国公立大学にもっと目を注ぐのもいいのではと、思います。
もりもと なおき