国公立大学二次試験が5日締め切られた。25日の本番まで、受験生らは最後の追い込みだ。風邪、インフルエンザに加え、コロナウイルスによる新型肺炎の拡大も心配され、気が気ではないだろう。
全員が万全の体調で試験の日を迎えるよう祈らずにいられない。

新3年生はぜひ地方の国立大学を目指してみよう
ところで既に現役生は出願が終わったが、春からの新3年生はぜひ国立大学を目指して欲しい。何も東大や京大じゃなくとも、地方都市には伝統ある素晴らしい大学がたくさんあるからだ。
国立大学のメリットは何より私立に比べ授業料が格段に安い。ほぼ半額以下。制度を活用すればそれがさらに無償にも半額にもなるから、親孝行この上なし。理工系は私立より大抵は研究施設が整っている。
旧高等工業、旧高等商業はかつては超名門だった
どんなところがいいか。やはり地方都市の国立なら、戦前の高等工業、高等商業の流れを汲むところが名門だ。高等工業は工学部、高等商業は経済学部となり、今も地方経済を牽引する。
具体的には四国なら徳島大学の理工(旧工学部)は、戦前の西日本有数の高等工業で、官公庁や大手ゼネコン、メーカーに多数の人材を輩出している。青色発光ダイオードでノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんを輩出したことでも有名になった。
香川大学は名門高松高商の流れをくみ、中四国の経済界には幾多の人材を送ってきた。
名門高商の流れを経済学部として受け継いでいる地方大学は多く、北から小樽商科大学、福島大学、滋賀大学、香川大学、山口大学、長崎大学などがある。ここらは早慶などよりも難しい時代もあった。

あと私のお勧めは叙情豊かな弘前大学、金沢大学、信州大学、静岡大学、九州の熊本大学、鹿児島大学、琉球大学など。県庁所在地には全て国立大学があるが、いずれもその地域では大学も学生も信頼されている。
センター試験(共通テスト)で勝負できる地方国立
5日に締め切られた各大学の二次試験前期の競争率をみると、超難関10大学(東大など旧帝国大学7校プラス一橋大学、東京工業大学、神戸大学)は軒並み2倍後半〜3倍とかなり低いようだ。一方、他の国立大学は3倍〜5倍といったところ。
超難関大学はセンター試験より二次試験重視で、受験生はいずれも実力派揃い。実際は競争率より遥かに難しい。10大学に続く難関の横浜国大や千葉大学、広島大学など首都圏や地域の拠点の国立大学も、同様の傾向だ。
一方、地方国立大学はセンター試験重視も多く、センターの出来不出来で志望校を再検討できるメリットがある。予備校の資料を吟味したらセンターの点数で自身の志望校での位置どりがわかり有利に進めることが可能。
超難関大学はセンターで軽く800点以上とる必要があるとか相当骨が折れるが、地方国立の場合は大学によっては500点台でも十分、合格可能な大学学部もある。
この傾向は来年からの新制度、共通テストでも変わらないだろう。
充実した高校生活を送っても十分、合格可能
地方国立大学は高校の授業をしっかりやっていれば大丈夫だ。現実に3年夏まで部活を一生懸命して、上手に切り替えて合格する現役生は多い。推薦制度をうまく活用することも良いと思う。
私は徳島大学の近くに住んでいるが、県外から進学し徳島にやって来た学生たちも、地方都市での生活を心から楽しんでいる。

地方国立大学を薦めたが、もちろん医学部だけは全く別次元。合格の難しさはいずれも超難関大学に匹敵する。
もりもと なおき