映画『明日に向かって撃て!』を観たのは確か高校2年生の終わりの頃だ。学年最後の期末テストを終え、クラスメイト数人で行った名古屋駅前の映画館でのロードショーだった。

当時流行ったアメリカンニューシネマ。若き日のポールニューマン、ロバートレッドフォード、キャサリンロスが共演する超豪華キャストにもワクワクした。
時あたかも'70安保闘争の年だ。
破天荒なストーリーも、当時の僕らにはシンパシーを持って受け入れられ、世界的な大ヒットとなった。
そして映画以上にインパクトがあったのが映画の挿入歌『雨にぬれても』だ。
バートバカラックが作曲、B・Jトーマスが歌った。

映画のストーリーには似合わないようなのんびりした歌声が心に響き、これも世界的な大ヒットに。深夜放送のラジオから、流れない日はなかった。
そして今もたまに聴いている。
自分の人生の応援歌のひとつだ。
"私は自由だから"
"何も心配していない"
受験や将来に不安だらけでも、この歌の歌詞のように僕らには『自由』がある輝かしい昭和の時代だった。
先日の新聞でバートバカラックの訃報を見て、いろんなことを思い出した。

もりもとなおき