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青春の記者シリーズ。暴力団員に110番された、寒い思い出

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マンションに暴力団事務所、何とかしてと


記者時代の思い出シリーズは結構、皆さんに楽しんで読んでいただいている。きょうもひとつ。私が暴力団組員に110番通報された寒い思い出を。

"あるマンションに暴力団が事務所を構えているようだ。その証拠に部屋に提灯や名札みたいなものもある。入居者みんなが迷惑しているし怖がっている。何とか出ていって貰えないだろうか"

ある日、こんな通報というか相談が家主さんと思われる方から社会部へ。普段から"事件遊軍"と勝手に命名され、皆んなが嫌がる取材は必ず私がご指名いただいていたが、やはり例のパワハラ先輩が私にふってきた。『極道事務所をマンションに置いたらあかんやないかと、オマエがその極道に言うたれや!』と。


玄関でわめき散らす私を暴力団が110番通報


その日は朝から何となくイライラし、私も機嫌が悪かった。先輩には『あんたこそ極道やないか』と、腹の中で思いながら、とりあえず、嫌々、渋々件のマンションへ。で、当該の部屋の前でインタホンを鳴らすと中から『なんや⁈』と、ドスの効いた声が。

私『この部屋が事務所になっていると、皆さん迷惑してるみたいですよ。お話しをお伺いしたいんですが…』と、超紳士的に。

これに中の暴『われ、だれに寝言言うてんのや。いにさらせや!』とさらにドスの効いた声…

私『こっちも子どもの使いやないんで、玄関開けてくださいよ。話ししませんか』

『おどれ、だれにもの言うとんじゃ!ボケ!ホンマにいてもたろか!』

私はこれで完全にプツンと。

『中からガタガタぬかさんと、おどれこそドア開けんかい』と、ドアを思い切り足蹴りに。そのあとゲンコツでドアを50〜60発は殴りながら『おどれ、出てこんかい!』と何度も。暴の声が次第に小さくなったが、ひるむことなくさらにドアを蹴りながら

私『おどれコラ!ヤクザがおとろしいてブン屋ができると思とんか!くらっしゃげたろか(殴ったろか)』と。なぜ私がここまで強気に出たかというと、こんな古い小さなマンションに事務所構えるヤツって、小者に違いないと、なめていたのかもしれない。

相当、長い時間、玄関を蹴ったり叩いたが、ドアは開かず。その内シーンと。ふと気づいたら後ろから『もーさん、どないしたん?』と刑事が。聞けばこの部屋から"変なヤツが玄関で暴れ、迷惑しとる"と、110番通報があったとか。

『警察や!』の呼びかけでやっとドアは開いたが、私はさっきまでのことをめちゃくちゃ後悔した。中にいたヤツ、両肩入れ墨ベッタリエラい恐ろしい顔でビビりましたが、今度は警察も一緒。『警察呼ぶ前に早う開けたらんかい』と、もう一発、かましました。

暴力団関係者は取材でのお付き合いはたくさんありましたが、エラくなるほど一見、紳士的で重い雰囲気がありました。このマンションのオヤジみたいに吠えるのは小物です。

事務所は警察の指導で直ぐに撤去となりました。最近は私も絶対、切れませんから誤解なきよう。あと、"おどれ"なんてことばは以来、使ったことはありませんので(汗)

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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