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音喜多駿はなぜ負けたのか。超高齢化社会での選挙の在り方を考えた

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良い戦いだったのか完敗か?

順調に政治家人生を歩んできたかに見えた前東京都議、音喜多駿氏(35)が、地域政党を立ち上げて打って出た北区長選挙で、破れた。
現職65807票対音喜多54072票だから、良い戦いをしたとの見方もあるが、私は完敗だと思う。

 

開票前の出口調査ではわずか数%だが音喜多氏が勝っていた。しかしその差を見た時、私は負けたなと、思った。

音喜多駿氏が挑んだ現職は5選を目指す花川よそうた氏で84才の高齢。
しかし自公はじめ立憲民主や社民の区議までが支持、多くの組織、団体が推薦していた。
現職陣営は当然、音喜多氏を"強敵"と見ていたから、組織的な期日前投票も余念がなかったと推測する。

中高年に光を当てなければ首長選挙は勝てない

これに対し音喜多陣営は若者中心のボランティア選挙。期日前投票に動員する組織も体力もなく、個人がパラパラと行く程度。
期日前分を乗せられたら簡単にやられるなとみたが、まさにその通りの結果となった。

さて私は音喜多氏が40代だったら勝っていたと思う。

彼は恐らく年齢的な感覚、例えば60代、70代が30代の青年にどういったイメージを抱いているか考えたり、分析したりしたことはないはずだ。

今の選挙は60代後半〜70才を抜きに語れない。団塊、ポスト団塊はひじょうに政治的な世代といえる。
例えば安倍政権の支持率は全ての年代でこの世代が最も低い。"安保世代"は日本人で最もリベラルな世代であり、人口も突出している。

音喜多氏がこの世代に光を当てた政策を一つでも強く打ち出していたら、と残念でならない。

超高齢社会、いくつからが年寄りか難しい

さてこの世代の30代へのイメージだが、ズバリ『リーダーにはまだ無理な年代』と見る。長い社会人生活で得た認識だ。特に音喜多氏は20代でも楽々通るほど若く見える。

そして不思議なものでこの世代は議員に対しては同世代を好まない。30代の青年の若さには変に期待してしまうところがある。

平均寿命がこれだけ高くなると、どこからが高齢者か難しいところだ。

ふた昔前は60代の候補者に対し同世代でも『年寄りはあかん!』と批判した。
実際は私も40才で選挙に出る時、『60才を過ぎたら新たな選挙には出ない』と"公約"した記憶がある。
それほど当時は60代でも"老害"のイメージがあった。

現職北区長は投票時、84才。そして5選を目指していた。大半の政党関係者が支持していたから、実力はあったのだろう。
しかし私は多くの普通の北区の有権者は、これだけの高齢・多選に潜在的批判は相当あったと確信する。

じゃあなぜ音喜多氏が勝てなかったのか。高齢・多選に疑問を持つ多くの有権者を、投票所に足を運ばせる魅力、政策がなかったことにつきる。
投票率は51.74%。残り半数の投票行動にインパクトを与えることができなかったのだろう。

さらに何となく高齢者を敵に回してしまった。彼のチラシの35才VS83才を見たとき、私は少しまずいなと思った。

 

明らかに『もう爺さんの出る幕じゃないよ』的なメッセージを発しているように感じてしまった(50才以下はこの感覚はないと考える)

国も家庭もいろんな世代で成り立つんだ

かなり以前、私の友人の元衆院議員荒井広幸さんが年配候補者の応援演説でこんなことを言った。
『家庭にはおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さん、そして子どもたちがいる。そしてそれぞれに役割があり家庭を営んでいる。国家も同じで、いろんな世代があってはじめて成り立つんです』と。

そして超高齢化によりさらにひいおじいちゃん、おばあちゃんも加わっているのが日本社会であり、地域社会なのかもしれない。

議員なら一つの世代に特化しても当選する。しかし行政の長は生まれてから死ぬまでの全ての世代に責任を負う。
候補者が高齢だろうが若かろうが、当選すれば全く同じ責務を担う。

音喜多氏のブログで区長選挙への思い、戦い方を拝見したが、こうした部分が欠如していたように見えた。すなわち、首長としての彼に高い年齢層の有権者は不安を抱いたといえるだろう。

ともあれわずか6年の政治経験でここまでくる才能とパワーは大したものだ。
新党結成のためのクラウドファンディングで、瞬時に1000万円を集めたことに度肝を抜かれたが、その『あたらしい党』公認・推薦の区議や市議候補が10人も当選したのは彼の発信力に負うところ大は間違いない。

地に足のついた活動で大いに再起を期待したい。辛抱も大切だ。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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