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飯塚被告やっと在宅起訴で改めて思う、不逮捕は警察の痛恨のミス

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飯塚被告、事故から10か月、やっと在宅起訴


東京・池袋で2019年4月、近くの主婦、松永真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を乗用車ではね死なせたたほか、9人に全治1年などのケガをさせた事故で、東京地検は運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三被告(88)自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で在宅起訴した。

事故発生からなんと10か月。実況検分から8か月、書類送検から3か月。関係者が多く、事故・事件処理に時間がかかるのはやむを得ない面もあったが、余りに起訴までが遅すぎた。

ずっと市民に渦巻いた『なぜ逮捕しないのか』の疑問

さらに普通なら即、逮捕の案件だった。飯塚本人がケガをしていたこともあるが、実況検分からでも既に8か月が経過した。回復後、一時でも身柄を拘束(逮捕)すべきだったのではないか。

当然、こんなことはあり得ないが、飯塚が元キャリア官僚であることから、警察、検察のスローモーな対応、不逮捕、任意の取り調べに『上級国民だから特別扱いだ』などという嫌な言葉が流布された。

警察行政にとって大切なのは市民が抱く公平感

警察、検察としても十二分に反省しなければならないのは、やはり当初の対応の悪さだ。
とりわけ警察行政にとって最も大切なのは、捜査の公平感と警察行政に市民の共感を得ることだ。

事故が悲惨だっただけに、少なくともこの事件処理を巡っては警察への市民の疑心暗鬼が渦巻いた。

市民を素人と言うなかれ。市民の共感や協力なくして警察行政の推進は成り立たない。
その意味で10か月という捜査に要した時間、飯塚を逮捕しなかったことは、大きな禍根を残した。

起訴状によると飯塚被告は、19年4月19日、東京都豊島区で乗用車を運転中、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込み、横断歩道を渡っていた松永真菜さんと莉子ちゃんをはねて死亡させたほか、通行人ら9人にけがをさせた。
当時、飯塚被告のクルマは約96キロのスピードが出ていた。警視庁が19年11月に書類送検していた。

飯塚被告は持病もあり、医師から運転は控えるよう、警告されていた。にもかかわらず、この日はランチにレストランを予約、妻と向かっていた途中だったという。

もりもと  なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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