国の方向性は『全ての国民が一緒に前に進むこと』
四国放送で数日前、短い企画だったが後藤田正晴さんについてやっていた。中曽根内閣の官房長官。そして自民党副総裁。
この中で印象に残ったのは、後藤田さんは国が目指す方向は2つあるとし、『一部の特別な人たちが力を持ち引っ張っていく国家』がひとつ。
そしてもうひとつは『全てのあらゆる国民が、一緒に揃って前に進む国家をつくることだ』と。こんな話しだったと思う。
当然、後藤田さんは後者だった。
中曽根総理ー後藤田官房長官のコンビ。自民党有数のタカ派総理にハト派の官房長官。鳩が鷹を守ると揶揄された。
後藤田さんがいつも火を消してくれたと、中曽根さん
中曽根さんにとっても改憲は大きな目標だった。しかし中曽根さんの早急なやり方には、後藤田さんがいつもブレーキをかけていた。
後藤田さんのパーティーで挨拶に立った中曽根さんは、『私は直ぐに何でも火をつけてしまうが、その度に後藤田先生という消防車が駆けつけて火を消してくれるんです』と。
自分と全く価値観が対局にある、すなわち『お友だち』ではない後藤田さんを官房長官に据え、自分にも意見具申させる中曽根さんも大したものだったと思う。懐も深かったんだろう。
だから中曽根行革も手をつけることができたし、選挙制度改革もできたんだろう。
怖い印象しかないが、補欠当選を褒めていただいた
後藤田先生は私などは怖い印象しかない。私の初めての選挙となる県議補欠選挙初出馬の時、ご挨拶に伺った。
私なりに最大限、行儀良くしていたんだが
『だいたい新聞記者なんてのは態度がデカい。そこを改めなきゃ当選はできないゾ』と、怖い顔で。
しかし当選のご挨拶に伺った時は『1人を選ぶ補欠選挙は難しいのによく頑張った!』と、相好を崩していただいたのが忘れられない。
ドキドキのツーショット
昔ばかり懐かしんでも仕方ないが、知性と胆力、抱擁力の備えた政治家がたくさんいた時代もあった。
現内閣のメンツを見てこんなことをやはり考えてしまう。
もりもと なおき