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なぜ僕は家に入ってきたトンボを捕まえてはいけなかったのか…

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家にトンボが入ってきても絶対に捕まえちゃダメだよと、私と姉はもの心ついた頃から母親に教えられてきた。


実は私には5つ歳上の兄がいたが、幼い頃に病気で亡くなってしまった。その兄がとてもトンボが好きだったのだ。
だから母はトンボが家に来ると必ず『あっ、信ちゃん(兄は信介といった)が帰って来た!』と、本当に嬉しそうにしていた。

母は大好きなトンボを追いかけて兄が家に戻って来てるんだと、本気で信じていたフシがあった。


そして不思議とお盆になると必ずと言っていいほどトンボが家に入ってきたから、わが家はずっと『ことしも信ちゃんが帰ってきたね』が、家族の共通認識だったのだ。

母が長男である私の兄を亡くしたのは31才の時。母は91才まで生きたから60年間、忘れることは無かったんだと思う。

母の心の中は、いつまでもトンボが好きだった可愛い信ちゃんのままだったんだろうな。
ことしも親父とおふくろに連れられた信ちゃん(写真)が、わが家に帰ってくる。

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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