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ハイライトと'70安保闘争と17才の僕

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『初めて吸ったハイライトと'70安保闘争は17才の時だった』

元はヘビースモーカーだが、今はタバコの匂いも嫌いな嫌煙家だ。この度のタバコの値上げで、かつて愛したセブンスターがついに600円に値上がりすると聞いて驚いた。
ハタチの時から心筋梗塞になった51才まで、浮気することなくセブンスターを吸い続けたが、確か初めて買った時は70円で直ぐに80円となった。

でも"初のタバコ"は高3の17才の時でハイライトだった。忘れもしない名古屋の久屋公園で'70安保闘争/6.23の高校生集会に参加した夜だ。
だいたいこの種の集会に参加するのは名門進学校の連中(旭ヶ丘、明和、瑞陵という当時の御三家)が大半だった。会場では皆んなヘルメットを被り覆面のタオルをアゴまで下げ、タバコを吸っている。

自分はそれまで吸ったこともなかったからこの光景に少し腰が引けたが、クラスメートのKが私にハイライトの箱をポンと投げてよこした。
タバコも吸ったことが無いと思われるのも癪だ。『おお!サンキュー』と1本抜き、慣れた手つき?で火をつけ、とにかく紫煙にむせないように軽く吸いこんだ。ちなみにヘルメットは赤ヘルだった。

この日は私にとってデモの最中、機動隊員に顔面を殴られ青タンができたことより、初のタバコの方が明らかに記憶に残る安保闘争の夜だったかもしれない。

こうした高校生の集会は各高校の生徒指導の教師らが、僕らをグルリと取り巻き自校の参加生徒をチェックする。その前でタバコを吸うのだから私などは気が引けたものだ。
しかしデモに移るとき、どの学校の先生たちも『無茶するなよ!捕まるなよ』と、激励?してくれた。

ちなみに各高校の先生たちは翌日、デモに参加した生徒が登校しているかチェックした。もし休んでいたら逮捕された可能性があるからだ。『森本、皆んなケガはないか?学校来てるよな?』と。
ある意味、いい時代だったなぁ。
以来、高3〜浪人中はプロレタリアートのタバコハイライトをポケットに忍ばせた。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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