ラブユー東京と苦い思い出
私の自慢にムード歌謡コーラスグルー『黒沢明とロスプリモス』に演奏、コーラスをしてもらい、彼らのヒット曲 『ラブユー東京』を歌ったことがあります。
そしてリーダーに『たいへんお上手でした』と褒めていただいたのも。
しかしこの裏には苦い思い出もありました。
あるホテルでのディナーショー。26年前、県議会議員に初当選し、まだあまり日が経つていない頃。後援会メンバー何人かと行った時のことです。
途中、司会者が『お客様ひとりだけ歌う機会をリーダーにいただきました。ロスプリモスをバックにいかがですか』と。
人気コーラスグループのディナーショーに来てる人ばかりだから、恐らくカラオケ自慢も多かったと思う。
しかし客が手を挙げるより前に司会が『あっ、県議会議員の森本センセイがいらっしゃっいます。ぜひお願いします!』と言ってしまったから、話はややこしくなった。
容易に想像できたお他の客さんの怒り
私は客の反応は容易に想像できたから 『この司会のおっさん、またとんでもないことを』と、躊躇していた。
それでも無邪気に拍手をくれる人もおり、場を白けさせてはいけないとの思いで、渋々舞台に上がりました。
で、気持ち良く歌い終わったら、予想通り中年のオヤジが舞台の裾で司会者に詰め寄っている(それ言わんこっちゃない)
『高いカネ払てきとるんや!なんで県会議員の歌を聴かされなあかんのや!』と、物凄い剣幕。やっぱりなぁ、すんなり終わる訳はないと思っていた。
これはマズイと直ぐにその場に行き、司会者に『ホンマにこの人の言う通りや』と私。
しかし『のこのこ舞台に上がった私が一番悪い』と謝りまくったら、今度はこのオヤジさんが逆に『カッとなりすまん。しかしセンセイごっつい歌上手いな』と、機嫌を直してくれ、その場はなんとか収まりました。
大変めんどくさい思い出ですが、以来
『何ごとにも出しゃばらず』を胸に刻みました。
未だに鼻歌でラブユー東京が出てきますが、必ずあの日のことを思い出します。
もりもと なおき