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今も心の財産、中野『クラッシック』で過ごした時間

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喫茶店で過ごす時間は何より大切にしてきた

若い時から恐らく喫茶店が大好きだと思う。喫茶店で潰した時間は同世代なら恐らく上位だろう。

本来なら一見さんが気安く入れない排他的な店がいいんだが、都会も地方都市もどんどん老舗の喫茶店が姿を消し、スターバックスやタリーズが席巻している。

もちろんこれも嫌いじゃなく、常連店はあるが、やはり味気なさは否定できない。

忘れられない中野『クラッシック』で過ごした時間

振り返ると学生時代はまずモーニングが充実した店と、ゆっくり本が読め、いい音楽が聴ける店をそれぞれ選んだ。

中でも忘れられないのは国鉄中野駅近く、中野サンプラザの近くの路地を入ったところにあった名曲喫茶『クラッシック』(1945〜2005年)だ。
60年(前店ルネッサンスを含めると75年)という長い歴史のあった店だから覗いた人は多いと思う。この75年を父娘で繋ぎ切り盛りした。

当時でもかなり古びた店構えだった(ネットから)

私は大学入学直後、五木寛之のエッセイを読み、訪ねた。驚いたのはたたずまいの古さと、店内のクラッシック度だ。

本がやっと読めるくらいの照明だったが、皮張りの椅子に身体を沈め、ショパンやモーツァルトを聴きながらたくさん本を読んだ。

珈琲は150円だった。肉厚の白い小ぶりのカップ。ずっと疑問だったがミルクは赤いマヨネーズのキャップに入っていた。

自身のわずかな教養を養った研ぎ澄まされた場所。この空間での思い出は今も心の財産だ。

歴史の匂いさえした店内(ネットから)

ビートルズしか流れなかった『カトレア』の思い出

あと高田馬場駅前のビル地下に『カトレア』という純喫茶があった。なぜ気に入っていたかというとビートルズナンバーしかレコードをかけなかったのだ。

地下で換気が悪いから、痛いくらいタバコの煙が目に染みた。セブンスターを吸いながら美味い珈琲で延々と流れるビートルズは格別だった。

この店で出会した実にくだらないことを今だに覚えている。隣りの席に20代後半のカップルがいて、激しく痴話喧嘩をしていた。

女がずっと男を叱責していたが『ハタチのガキみたいなこと、いつまでも言うのやめてよ!』にドキッと。
私はハタチだった。こんなお姉さんから見たらガキだったのだ。

もう少し静かにして欲しい徳島の喫茶店

今も徳島で行き慣れた喫茶店は4〜5軒ある。だいたい徳島の喫茶店は女性客が圧倒的に多いがあまりにも賑やかなのだ。

友人と来たらおしゃべりは当たり前だが、もう少し周囲に気を遣って欲しいと心から願う。2人でも凄いときがあるが、4人くらいだとほとんど宴会並みに騒ぐグループもある。

あと男女問わず平気で自席で電話を受けるし、自分もかける。それもデカい声で。老若男女ほぼ例外なく。電話は店外に出てが常識だと思うが、信じられない光景なのだ。店も主体性を持って注意すべきだが、一切しない。

徳島でもここは静かなので気に入っている


ゆっくり音楽が聴けて本が読める店はいつも探している。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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