中川君、今度は早稲田を背負って立ってくれ
大阪桐蔭のキャプテンで進学を表明していた中川卓也君は、第1志望の早稲田大学のアスリート選抜入試に合格した。学部はスポーツ科学部。
超高校級、根尾昂君、藤原恭大君と常にクリーンナップを打っていたシュアなバッティングだけに、プロ入りの声もあったが、本人は早くから進学希望。進学先が注目されていた。
6大学で活躍する中川くんをみたいファンも多い。大阪桐蔭西谷監督に、『桐蔭は中川のチーム』と言わしめた強烈なリーダーシップを早稲田でもいかんなく発揮し、引っ張っていって欲しいですね。
早稲田はOBで元ロッテのエース、小宮山悟氏がこの秋から監督に就任した。春の優勝目指して頑張ってほしい。
最大のミスを、血のにじむ努力で挽回した男らしさ
中川君と言えば2年の夏の大会3回戦の仙台育英戦が忘れられない。その年も春夏連覇を狙う大阪桐蔭のファーストとして、甲子園にいた。
そして1点差の9回裏ツーアウト、仙台育英ショートゴロ。誰もがこれで大阪桐蔭勝利と思われた一瞬、送球を受けた中川君の足がベースから離れ『セーフ』
そのまま逆転負けし、春夏連覇は夢と消えた。まさに痛恨のミスだった。
この夏、優勝の時、みんなが笑顔の中、ひとり号泣していた中川君。涙には1年前の忘れられないその時の思い。そしてキャプテンとして改めて春夏連覇を誓った日からの、チームメイトとの苦し日々が蘇ったに違いない。
大阪桐蔭は根尾君や藤原君はいうに及ばず、控え選手も含め、他校なら4番やエースやキャプテンになるような逸材ばかり。そのチームでキャプテンとしてチームをまとめ上げるのは、並大抵の苦労じゃなかったと思う。
だからチームメイトも『中川がキャプテンだから連覇ができた』と、口を揃えたように、彼への信頼感は抜群だったようだ。
今度は早稲田を日本一にしてくれること期待したい。
もりもと なおき