殺人事件は増えている?
虐待による子ども殺しや、性的異常者の女児殺害、そして新幹線内での理由なき無差別殺人、闇サイト殺人事件、そしてきょうだいを練炭中毒で殺害…
こうしたニュースを聞くにつけ「最近、殺人事件が増えているのでは?」との声もよく聞くが、本当に国内の殺人事件は増えているんだろか?
実は年々、かなりのペースで減っているんです
実は殺人は年々、右肩下がりで減っています。警察庁がまとめた殺人事件のデータ(2016年)をみると、戦後、最も多かったのが1955年で2119人。
2016年はその約7分の1以下で、初めて300人を割り込み、290人でした。
戦後の推移をみると、2000人をこえたのは1955年だけだったが、戦後すぐからは1900人台から1000人弱まで推移。1987年には918人と、初めて1000人を切るなど、下がり続けてきた。
ところで47都道府県別の殺人事件数はどうだろう。あくまで2016年の統計だが、ワースト1は沖縄で人口10万人当たり0.542人。2位が大分県で0.517人、3位は鳥取県で0.421人。
意外と少ないのが東京で0.071人は全国最少。ついで長野県0.096人、長崎県0.117がベスト3だった。
ちなみに四国は愛媛県7位、香川県13位、徳島県18位、高知県34の順だった。
目立つ動機なき殺人や変質者の殺人
多くの人が、殺人が増えているように感じるのは、目的がはっきりしない猟奇的な事件が増えているからと推察します。
わたしが事件記者をしていた時代は、統計を見ると1100人〜くらいだったが、確かに最近の全国のニュースを見る限り、当時から平穏になった気はしません。
以前の殺人には、怨恨とかカネ目的とか明確な目的がありましたが、最近、見聞きする事件は「ただ人を殺したかった」など、全く原因がわからないケースが多いような気がする。
検挙に勝る防犯無し。凶悪事件を未然に防ぐためにも、日頃の効果あるパトロールなどをお願いしたい。
もりもと なおき