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日本社会と家庭を守ったのは、終身雇用と年功序列だったかも

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今になって思うが、完全雇用、終身雇用制度、年功序列制度が徹底していた以前の日本社会は、人生の中で幸せな家庭を営む上でも、理想的なカタチだったのかもしれない。慰安旅行や社内運動会は社員の団結を図る一大イベントだったが、もうほとんど聞かれないのは、制度が壊れた証だ。

昔の企業の慰安旅行はホテルの大宴会場で一同に会した

定年までだれもが同じ会社に勤めた終身雇用制度

とにかく会社に入社したら犯罪を起こさない限り、会社が破綻しない限り定年まで勤めることができた。みんなそうだった。

能力がなく仕事が出来ない人でも、人事異動でそれなりの部署でまた活躍する機会に恵まれるケースも多々あったのだ。

年功序列制度は家庭生活を守ったのかもしれない

そして年功序列制度。歳が上というだけで管理職や上司になることは様々な問題もあった。しかし長幼の序を重んじる本来の日本人には合っていたのかもしれない。

少なくとも子育てをする上で子の成長に伴い、お父さんが昇進し同時に昇給することは、家計に優しくありがたいシステムだったといえる。

圧倒的多数の普通の人たちにとって、人生に安心感があったのだ。

お父さんの昇進はどの家庭でも大きな慶事で、私もオヤジが『課長』になった時など子どもなりに嬉しい出来事だったのを覚えている。

新自由主義は日本社会をいびつなものにしてしまった

日本の高度経済成長なんてこのシステムの中で実現したし、東京オリンピックや万国博覧会も国というより国民の一大イベントだったのだ。

今は昔。終身雇用も年功序列も完全に崩れてしまったというより、破壊されてしまった。
とりわけ小泉政権以降、新自由主義が本流となり、竹中平蔵などが闊歩する中、企業は社員の幸せより企業利益を最優先に求め出したからだ。

企業にとって経費のかからない非正規雇用の社員を増やす一方となり、低所得で子育てし難い社会は晩婚、未婚、少子化を生み出し、社会をいびつなものにしてしまった。

愛社精神の欠如は企業の土台を弱体化させた

優秀な人材は高条件を求めてへっちゃらで会社を変わる。愛社精神の欠如は企業の土台を弱いものにしてしまったような気がする。

私たち国民もアメリカのような能力主義こそ働く者の理想、年功序列を嫌悪してしまったという失敗もあった。

完全雇用・終身雇用・年功序列こそ、国民の生活と幸せを守るシステムだったような気がする。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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