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社を超えて鍛えよう。ジャーナリズムのために

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新聞社に勤めている時、春はどんなヤツが入社し、県警記者室に配属されてくるかそれは楽しみだった。

わが社はもちろん、朝日、毎日、読売、NHKも必ず新人はくるので、これまた楽しみだった。

地元紙キャップは牢名主

地元紙の県警記者クラブのキャップやサブと言えば牢名主のようなもの。

娑婆からやって来る連中は、"社を超えて教育し、行儀を教えなければ"と、毎年、義務感いっぱいだった (爆)

わが青春の記者クラブ

コミュニケーション能力が大切

記者などというものはネタを拾うのがなんぼの仕事なんで、大切なのはコミュニケーション能力。

大体大丈夫なんだが、たまに秀才だけど苦手という、大手の新人もいた。

いつもデスクに怒られては落ちこんでいたM君もそのひとり。東大だからアタマは良いのに何か自信なさげだったので、ある日聞いてみた。

『女とか知ってる?』

『いや、まだなんです。彼女もずっといないし』と。

『ソープでもいってみたら?』

『行きたいけど勇気がなくて…』

確かこんなやり取りでした。

そこで知り合いのオーナーに電話し、『童貞なんで1番優しい子を』と。最初が肝心。トラウマになってはかわいそうだから。

ソープで自信つけた?

話しはあっという間に。

ひとりでは行けないというのでお店まで付き添いで。緊張の極致だったらしく、途中『心臓が飛び出しそうです』と。手と足を一緒に運んでたのにも笑った。

それから2時間後。顔を紅潮させ、ニコニコ顔のM君が帰還。私にお土産にケーキまで 笑

感想は『凄く優しい方で感激しました。大丈夫でした!でもあんなに優しくして貰っていいんですか?』と。なんてウブなヤツだったんだ(笑)

翌日から変な自信ができた感じで、良い仕事を連発してたのは、他社の子とはいえ嬉しかった。

東京へ戻り出世しろよ

私にかわいがられたり、イジメられたヤツも3年ほどの徳島勤務のあと、他の支局経由で東京へ。

徳島にいた連中は出世してるのが嬉しく、政治部長や社会部長、中には編集局長とか役員になったヤツも。

連中が東京で顔を合わすと徳島時代の話しに花が咲き、必ず私の話題になるとか。これも嬉しいね。

社を超えて鍛えることは、わが国のジャーナリズムの発展に必ず、繋がると考える。

M君はもういない

徳島で無事童貞を卒業したM君も、東京へ戻り大活躍。でも外国での取材中、事故で亡くなりました。まだ30代前半の若さでした。

これをひとづてに聞いた時は、ひとりで泣きました。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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