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総理大臣は坊ちゃん育ちと叩き上げ、どちらが良いのか?

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菅総理候補苦労人、叩き上げ伝説は本物なのか?

次期自民党総裁で総理大臣になることが確実視されている菅義偉さんが『苦労人』とか『叩き上げ』という伝説が出来つつある。

当然、安倍さんはもちろん、坊ちゃん育ちの石破さん、岸田さんのような2世政治家と比べたら苦労人であり叩き上げなのかもしれない。
横浜市議から総理大臣に王手をかけるんだから、並大抵の政界の渡り方ではなかったはずだ。

菅さんが唯一の叩き上げであるのは間違いないが…

集団就職はしてないし、働きながら大学も、この時代は普通

しかし集団就職で秋田から上京したのは間違いだ。集団就職とは貧しい家庭で高校進学を諦めた少年少女たちが、集団で東京や大阪へ働きに出たもの。

菅さんは本当は結構、裕福な農家の息子で、地元で高校を卒業してから上京しており、集団就職には全く当たらない。
自分で働いたカネで法政大学で学んだとのことだが、団塊の世代やわれわれ世代でもそんな学生は普通にたくさんいた。

当時の大学授業料は年間だと国立は12000円、私立は6〜8万円だったから、月に換算すれば国立1000円、私立で5000円ほど。頑張れば自力で大学に行ける時代だったのだ。

菅さんに求めたい角さんの大らかさと、後進を育てる抱擁力

しかしながら総理大臣になれば、歴代総理では異色なのは間違いない。自民党総裁の歴史は、たった一人を除き坊ちゃんや官僚たちが占めてきたからだ。

たった1人の例外…もちろん田中角栄氏だ。高等小学校卒。上京して専門学校で学び、田中土建を立ち上げ、カネを貯めて政界へ。
破格の金権ぶりなどもちろん功罪あるが、懐の深さは格別だった。メディアに対しても『われわれを批判するのがマスコミの仕事。われわれは批判されるのが仕事』と、大らかだった。さらに優秀な若い政治家や官僚をたくさん育てる抱擁力があった。

大らかで抜群のリーダーシップを誇った田中角栄氏

現在の官房長官会見で、厳しい質問や批判は許さない、答えないという雰囲気を醸し出す菅さんと『批判は記者の仕事』と言った角さんでは、同じ叩き上げでも相当、違うようだ。

菅さんは恐怖人事で官僚を操るとのうわさも絶えない

坊ちゃんにしろ叩き上げにしろ国民目線ならどちらでも

さて本題だが政治家は坊ちゃんと叩き上げとは、どちらが良いのだろうか。ともに良いところは当然、ある。

戦後宰相ではこの2人が二代セレブだろう


大資産家の息子、あるいは2世、3世議員への批判は多いが知る限り、何不自由なく育った分、生きることにガツガツしていない。それでいて結構、度胸や胆力があり強いものにそれほど媚びず、リーダーシップのある人が多いような気がする。

自民党ばかり想定するが、平成以降、非自民政権でも細川、羽田、鳩山、菅、野田の5人が総理大臣を務めたが、細川、羽田、鳩山の3人は超ボンボン、菅、野田は普通の育ちで、いわゆる叩き上げはいなかった。

そんな訳で叩き上げはあまりにサンプルが少ない。菅さんは知る限り角さん以来の叩き上げであることは間違いないが、果たして庶民宰相になれるのか、疑問は残る。

政治家としてトップとして大切なのは、国民目線と弱者目線と抱擁力。苦労人・叩き上げに期待するのはそれしかない。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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