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"身の丈発言"反省なら貧困の連鎖を断ち切ることに全力を

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"身の丈発言"で多くの貧困家庭は絶望的になったのは想像に難くない

萩生田文部科学大臣の英語民間試験に絡む"身の丈発言"で、改めてわが国の子どもの貧困問題が問われている。

15才までの子どもの13.9%、実に7人にひとりが貧困で、経済協力開発機構(OECD)加盟平均13.3%より貧困割合は高い。

さらに1人親の家庭では実に2人にひとりが貧困となっているから、萩生田氏が言ったように身の丈に応じて頑張っても、大学など夢のまた夢だ。

だからあの発言は大臣が言ったことで多くの国民を不快にさせたし、絶望的な気持ちになった親や子はたくさんいたはずだ。
それだけに極めて罪深い。

あの謝罪で、貧困家庭の子らに道は開けるのか

あまりの批判の声に、"とりあえず謝っとけ"的に謝罪はした。しかし文科大臣としてやるべきことは、貧困家庭の子どもたちにも道を開くことだ。

とりあえずは英語民間試験を延期させ、公平な受験制度をつくるために汗をかくことしかない。

子どもの貧困は貧困の連鎖が危惧されるから問題なのだ。
貧困家庭の子どもに十分に教育の機会が与えられなければ、成長しても貧困から抜け出すことがより困難になる。
これが貧困家庭が貧困家庭を生む負の連鎖だ。

謝罪はしたがなぜ自身の発言が問題になったか、理解しているんだろうか

文科大臣が発したあの言葉が、なぜ許されないものだったのか

とりわけ問題なのは貧困率が5割を超えている一人親世帯。
特に母子家庭は母親の就業率が高いにも関わらず、所得200万円以下の世帯が4割を占める。

こうした母子の厳しい現状を少しでも認識していたら、あの発言はしたくてもできなかっただろう。

せめて受験くらい貧富の差は関係なく、同じ土俵でやらせてやりたい。これはごく基本的な国の責務だ。

萩生田氏の"身の丈発言"は、政治がやるべき最低限のことを放棄したに等しく、これだけでも文科大臣の資格などないと言える。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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