史上初めてのマイナス価格で原油を取り引き
史上初という。ガソリンが高いのも嫌だが、安値もここまで酷いことになるとは…ただより安くなったのだ。
週明け20日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる米国産WTI原油の先物価格が1バレル=マイナス37.63ドルと、史上初めてマイナス価格で取引を終了したニュースは、世界を震撼させている。

もちろん世界的なコロナウイルスの影響で、あらゆる生産活動が減産、あるいは休止し、原油が供給過剰になっているためだ。
こっちがお金払うからガソリン持ってって…の世界
つまり簡単に言うと1バレル持って行ってくれたら37.6ドル、日本なら4000円あげますよーということ。
水より安いどころか産業廃棄物並みの扱いとなっている。
こんな時こそ大量に備蓄すればと素人は思うが、タンクの数も限られており、そう簡単なものではないのかもしれない。
完全に世界大恐慌に突入した感はある。

1週間で55ドル、1か月で90ドルの下落
実はこのWTI原油先物価格、先週末は18ドル台だった。コロナショック前の2月前半までは50ドル台で推移していた。それがなんとわずか2か月でマイナス37.6ドルだから90ドル近くもの下落なのだ。
友人のロイター通信記者水野文也氏は『1日で約4割も下げるとは理解の範囲を超えています。株なら売りクライマックスといった状況だ』と説明。
ただ、『直近高値65ドルから、半値八掛け二割引の水準(20ドル強)よりもさらに半値近くまで下がっているので、空前絶後の大暴落と言っていいでしょう』と、ベテラン経済記者も驚くしかないようだ。
世界経済が大恐慌を先読みしたのかも…
そして急激な戻りに転じる可能性もあることを指摘するが、『リーマンショック以上どころか大恐慌に近いとも言われる状況を、先読みして織り込んだかのような原油の動きだ』と言う。
世界経済が大恐慌に入る前触れのような気がする。
もりもと なおき